第4章 34話 優夜の再会①
……やっぱり、優夜先輩との家は落ち着くな。
わたしって、狭い場所が好きなのかもしれない。
リビングでソファにもたれ、ゆん菜は手足を伸ばした。
あんな豪奢なお城を見たあとだと、優夜との家の良さが身に染みる。
「優夜先輩、早く帰ってこないかな」
今日は一緒に絵を描いて遊ぶ約束なのだ。
それに、王城にいたナイフ使いのことも話さない。もしかしたら、王城関係者かもしれない。
ゆん菜は霊力を放ち、家への防御の術をまたかけた。
もう何重にもかけている。家に送ってきてくれたカナルもかけてくれたから、安全なのは分かっている。
念の為だ。
なんの絵を描こう。
ゆん菜は好きな星空を思い描いて、考えを巡らす。三日月に、流れ星、青い月も好きだ。
優夜ほど上手ではないが、ゆん菜の絵だってなかなかだと思う。
完成したら、一緒にリビングに飾るのだ。
あれ……。
ゆん菜は窓の外を見た。
外の空気の流れに違和感を覚えたからだ。
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