第4章 26話 いつか王太子妃に……?②

「ユナ、しっかりして。いっぺんに考えると疲れるよ」


「そうですね。まず王族の方々と親しくなる。それから始めましょう。宮廷聖女も皇太子妃も、時間がかかることですから」


 ……怖い。


 ゆん菜の脳裏に、ゆん菜の恐怖に反応して、暴れるメイメイが浮かんだ。


 ……わたしの霊力だって暴走するかもしれない。


 もし、王さまを傷つけたら?


 反逆罪で、しょ、処刑だ……。


「だいじょうぶですよ、マリーユナさま。私が全力で補佐しますから」


「そうよ、ユナ。私もついてるから」


 わたしにできるのは小さなことだけど、と、エスミナはわらった。


「難しい話になってしまいましたが、ここまでにしましょう。マリーユナさま」


 カナルはゆん菜をベンチに促す。


 バスケットを開けて、お菓子を取り出した。


「今日は楽しみましょう。お城のシェフに無理をいって、お菓子を作ってもらったんです」


「……ってことは、最高級のお菓子。 見て見て、すごいよ、ユナ」


 エスミナが興奮状態で手招きする。


 二人がいてくれてよかった。


 心が温まっていくのを感じた。ゆん菜はカナルたちに駆け寄った。

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