第4章 25話 いつか王太子妃に……?①

「わたしだって同じだよ。ユナは大事な友達で、ミシュアーナさまは尊敬する王子さまなの。ユナたちの恋は、わたしの理想なんだから」


「エスミナはいつから、わたしが召喚者だって知ってたの?」


「最近だよ。幻青族の人たちはいつも召喚者仲間を探しているから、それで分かったの」


 エスミナはうれしげに目を細める。


「夢みたいだったよ。わたしの友達が、王子さまから召喚された人だったなんて」


 彼女はうっとりとしていた。


 エスミナは前から、ゆん菜と違ってお城や王族に憧れていた。


 この前、優夜先輩と話したときは夢見心地で、王族と親しくなると決めてしまった。


 よく考えたら、ものすごいことだ。


 味方になってもらうには、親しくならないといけない。


 おしゃべりをしたり、一緒に過ごしたり……。


 あの王族たちと友達になるということなのだ。


「友達じゃなくて、家族だよ。ユナ」


「そうです。マリーユナさまはお、お、王妃……、まずは王太子妃ですね。……に、なるんですから」


「王太子妃、家族……」


 話が大きすぎる。目眩がした。


 あの恐ろしいお城。宮廷聖女として中に入ることだって一大事だったのに。


 寒くなってきた。体から魂が抜けそうだ。

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