第7章 18話 光が舞う淡灯の間で②

「誘宵の月の夜……」


 淡灯の間は、六角柱に光が反射して、とてもまぶしい。


 優夜はゆん菜を見つめ、月のように静かにわらう。


「ごめん、ゆん菜。宵の時間は過ぎちゃったね。祝福をもらおうって、約束したのにね」


「また逢えたからだいじょうぶ……っ」


「ありがとう、ゆん菜。今日もう帰ろう。俺たちの家に」


「うん、うん……っ」


 うん、帰ろう。


 優夜先輩にゆっくり休んでもらおう。


 優夜は霊石に霊力を注ぐ。


「結局、淡灯官には会えなかったけど。明日からまたがんばろうな」


 霊石は光を放つ。扉が現れ、ゆん菜たちは王の間にもどった。


 王の間を見回したゆん菜は、体を震わせて優夜の背中に隠れた。


 王座にムーナサリア国の王、ザッハジルア王がいたからだ。

 彼の隣にハルヴィンもいた。

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