第7章 17話 光が舞う淡灯の間で①

「優夜先輩……っ」


 ゆん菜は淡灯の間に駆け込む。


 心の中の目で見たとおり、優夜は鏡型の霊石の下に横たわっていた。


「優夜先輩っ、だいじょうぶ?」


 ゆん菜はそっと優夜の服に触れた。優夜は儚げで、壊れてしまいそうだった。


 ぼろぼろ涙がこぼれた。


「兄上っ」


 ゆん菜は治癒の霊力を注ぐ。 やがて、優夜は目を開けた。


 ゆん菜の名を呼び、優しくわらう。


 ゆん菜は優夜にしがみついて、号泣した。


「心配かけてごめん、ゆん菜。ハルヴィン」


「なんで、倒れていたんだ? 淡灯官にやられたのか?」


「違うよ。ナイフ使いを捜して淡灯の間に入ろうとしたんだけど、俺の霊力では開かないように仕掛けが変えられたみたいで」


「父上がしたのかな……」


「霊石を壊して無理やりこじ開けたんだ。でも、霊力を使いすぎて動けなくなって」


「兄上のすることとは思えないぞ、そんな無茶」

「ゆん菜のためだから」


 ハルヴィンはゆん菜と優夜を交互に見る。


 今までごめんと、目を伏せた。ゆっくりと淡灯の間から出ていった。

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