第4章 28話 月灯石の光の回廊で①
暖かな日差しが降り注ぐ午後。
今日は風があり、遠くから飛んできた綿毛が、ふわんふわんと舞っている。
ムーナサリア国は、本当に綿毛の植物が多い。
「では皆さん、王城に参りましょう。衛兵の方たちとの合同実習は、王城の広場で行われます」
教育係の聖女が、笑顔で歩き出す。整列していた聖女見習いたちは、彼女に続いた。
王城ってことは、当たり前だけと王族がいるところ。
ゆん菜の血の気はサーッと引いた。
こ、こ、怖い……。
慣れてきたといっても、急にいわれると身がすくむ。昨日の王の姿が思い出されて、また感電した。
ゆん菜とは逆に、聖女見習いたちはきゃあきゃあとうれしそうだ。王族や貴族たちに会えるかもと、囁き合っている。
教師役の聖女は、正門前の衛兵に通行証を見せる。衛兵は門を開けた。
広くて見晴らしのいい広場を抜け、城を囲むようにして木々が植えられた森のようなものを抜ける。
もうひとつの内門も抜けると、目の前にそびえ立つ王城が現れた。
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