第3章 27話 満月の森 月色の優夜①
深い夜の空に、月が浮かんでいる。
満月の大きな月だ。雲がないせいか、月ははっきりと見える。
空気が澄んでいる異世界では、月の色も光もきれいだ。
ゆん菜と優夜は、家の近くの丘にいた。手紙で優夜が行こうといっていた場所だった。メイメイはゆん菜の服の袋で眠っていた。
「優夜先輩……」
「なに? ゆん菜」
「……また逢えてよかった」
満天の星空が、どこまでも広かっている。ひとつひとつが涙の粒のようだった。
まばゆいばかりで、目に沁みる。
「俺も、またゆん菜に逢えてよかった。悪いことが起きないように、あれだけ願っていたのにさ」
優夜の口調に、言葉が出なくなる。
心配かけてごめんね。いえなくて、ゆん菜は涙の星空を見つめた。
「ハルヴィンさん、どうしてるかな?」
「あいつは強いから、だいじょうぶ。そろそろ兄離れも必要だし」
ゆん菜、夜空を見ようと、優夜は微笑んだ。
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