第3章 25話 ミシュアーナとハルヴィン②

「だいじょうぶか? 気持ちは落ち着いたか? 父上に赦しを請おう」


 優夜の顔が曇る。ハルヴィンは更にいい募った。


「そして、エレミアたちを呼びもどす方法を考えるべきだ。そうだろ?」


「それは、もう無理……」


「エレミアたちはこの国に必要だよ。オレたちの時間を取りもどそう」


「時間?」


「オレとラヴィエと、兄上とエレミアたちで、いろんな議論した時間だよ。たまに夜を徹してさ。充実したいい日だったよな」


「ごめん、ハルヴィン」


 優夜は首を振り、淋しそうにうつむいた。


「俺はも゙うあのころの俺と違うよ。これからはゆん菜を一番に考えたいんだ」


「って、この女? え? 召喚者じゃないか。オレのために捕まえてくれたんだよな」


 優夜は黙り込む。なにかをいいかけるが、ハルヴィンから目をそらした。


「どうしたんだよ? オレに王族の在り方を教えてくれたのは、兄上だろ? 王族は無私でないといけない。民のことを一番に考えないといけないんだ」


 優夜はじっとハルヴィンを見る。


 そう? と、優しく問いかける目をした。

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