第3章 24話 ミシュアーナとハルヴィン①

「それ、召喚者だよな? なにしてるんだ? 兄上」


 ハルヴィンは目を見開き、優夜とゆん菜を交互に見る。


 ゆん菜を指さしてなにかいいかけた。


 だが、その口を閉じる。長い間、交互にゆん菜たちを凝視していた。

 やがて、優夜のほうだけを向いた。


「心配したぞ、ミシュアーナ兄上」


 声をかすらせてでつぶやいた。


「ミシュアーナ?」


 意味が分からず、ゆん菜が聞くと睨みつけてくる。


「お前の処理は後にする。黙ってろ」


 いい捨てて、また優夜に向き直る。


「どこにいたんだ? 昨夜の一件の後だから、心配したよ。朝になったら、もう兄上は出掛けてて……」


 ハルヴィンからは、ゆん菜に見せた怒りが消えていた。


 だたひたすら優夜を案じ、想っている。


 優しいだけの表情に、ゆん菜は戸惑った。

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