第3章 6話 夜闇の森で⑥
闇の中、強く目を凝らす。うずくまっている人影が映り、どきりとした。
歩いて十歩くらいの位置だ。なぜか、紺色の人影があった。
ゆん菜に背中を向け、落ち着いた様子でナイフを回収していた。
心底驚いて、ゆん菜は後ずさった、
人影が着ているのは、袖無しの外套だった。頭からかぶっていて、姿が見えない。男か女かも分からなかった。
やがて、人影は立ち上がる。一瞬だけ、鋭い目でゆん菜はを睨む。
もう一度襲われるかと思った。だか、人影は森の中に姿を消した。
……。
しばらくぼんやりしていたゆん菜の耳に、また物音が届いた。
葉擦れの音と、足音だった。ゆん菜のほうに向かってきた。
さっきまでの足音と違った。今度は複数だった。
もう、やだ。
ゆん菜はへたり込んだ。涙があふれてきた。
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