第3章 2話 夜闇の森で②

 優夜先輩……。


「優夜先輩、助けて」


 ぽろぽろと涙が落ちる。

 優夜と離れていた時間が思い出された。


 せっかく異世界に来たのに、まさかここで終わりなんだろうか。


 また会えなくなるの?

 怖い。家に帰りたいよ。


 夜になっても帰らないなんて。優夜先輩、心配してる……。


 ごめんなさい。先輩。


「そうだ。エスミナたちも……」


 思わず声が漏れた。エスミナやシスターたちだって、きっと心配してくれてる。彼女たちは、ゆん菜がこの森にいることを知っている。


 ゆん菜は、あれ、と思う。


 抱えていたカバンのポケットに触れたとき、聞き慣れないカサカサという音がしたからだ。


 カバンを探ると、手紙だと分かった。


 宛名はゆん菜だ。


 優夜の字だった。


 ふわっと体が暖かくなる。涙がこぼれた。


 ……今日は早く帰っておいで、ゆん菜。

 今夜は星を見に行こう。

 昨夜の話の続きもしたいんだ。

 ゆん菜に話しておきたいことがあるんだよ。


 そんな内容だった。

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