第2章 28話 召喚者への罠②

あっはっは、と、ハルヴィンのわらい声が響いた。


「人をうまく騙すって、達成感があるな。……罠も正常に作動するみたいだ。一安心だな」


 なに、これ。


「召喚者に対する罠だよ。森の実は全部ムーナサリア人のものだからな。召喚者が手を出したら罰を受けるんだ」


「霊石を使った、召喚者にだけ反応する罠です」


 ゆん菜は格子を掴んて揺する。細くて弱そうな光の柵なのに、びくともしなかった。


「なんだ、これ」


 ゆん菜から奪ったカバンを探っていたハルヴィンは、教会の礼状を手にしていた。


「礼状。なんでローラナ教会の手紙なんか持ってんだ? ローラナ村の人間か? だいたい、お前を召喚したのは誰だ?」


 ゆん菜をムーナサリアに呼んだのは優夜だ。


 彼も罪に問われるのだろうか。話すもんかと、ゆん菜は目をそらした。

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