第2章 23話 召喚者の詩曲①

「この国の歴史を勉強したことは? なぜ、召喚者が排除されると思っていたんですか?」


 歴史……。


 そんなことは優夜もシスターも教えてくれなかった。


「昔、この国では移民を召喚する政策が取られていました。そんなとき、召喚者とムーナサリア人の恋を謳った、吟遊詩人がいたんです」


「その詩曲せいで、召喚ブームが起きた。たくさんの召喚者が異世界からが呼ばれたんだよ」


 召喚者と、ムーナサリア人の恋。

 わたしや優夜先輩も同じ……。


「移民、つまり召喚者を呼ぶと補助金がもらえます。それにもしかしたら、詩曲のような恋ができるかもしれない。そんな理由でした」


 政策、補助金……。


 長い上に難しい話になり、ゆん菜はついていけなくなってきた。


 もう一度、初めから話してくださいといいたくなる。

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