第2章 22話 第二王子ハルヴィン⑦

 ゆん菜はもう一度、ハルヴィンの足を踏んだ。


 今度はラヴィエに引きもどされる。


「あなた、いい加減にしなさいね。バカ王子が相手でも、反逆罪になりますよ」


「お前、本当に凶暴だな」


 ハルヴィンはうんざり顔でゆん菜を眺めた。


「霊力が強くて、かわいくて凶暴。召喚者の特徴が見事に揃ってるな」


 召喚者の特徴?


「なに、それ」


 わたしたちにぞんなものがあったなんて初耳だ。


「あなた、知らないんですか? 召喚者のように外の世界から来た外来族は、ムーナサリア人より優れているんです」


「わたしたちが優れてる? そんなこと全然ないですよ」


「強い霊力を持ち、知力に優れ、美形揃い。……お前は頭はわるそうだけど、他の条件が揃ってるな」


 優夜もシスターたちも、ゆん菜の霊力の強さは褒めていた。

 だが、召喚者だからだとは聞いていなかった。


「そんな性質だから、外来族は多方面でムーナサリア人に勝ります。国民の生活を脅かすから、排除を望まれるんですよ」


 ラヴィエは足を止めて、ゆん菜を振り返る。

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