第2章 17話 第二王子ハルヴィン②

 うそ……。


 ハルヴィンはかけていたペンダントを引っ張りだす。


 霊石のペンダントだった。大きくて上等な、霊力の強そうな霊石だった。


 彼は霊石に霊力を注ぐ。すると、石は輝き出す。

霊石から伸びた光の矢が、メイメイを貫いた。


 メイメイは目を閉じる。崩れるように、横たわった。


「メイメイッ」


 ゆん菜は悲鳴をあげて駆け寄った。メイメイは全然動かない。


「メイメイッ、メイメイッ」


「だいじょうぶだよ。気絶させただけだから」


 背後からハルヴィンの声がする。息が止まりそうだった。


 メイメイのお腹に手を当てると、本当に呼吸しているのが分かった。


 ラヴィエが剣を抜いて、ゆん菜に向けた。


「いいよ、ラヴィエ」


 ハルヴィンが剣を押し返した。

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