第2章 16話 第二王子ハルヴィン①

「え、バカ王子……」


「この方は、ムーナサリア国の王子なんです。信じられないでしょうけど」


 王子?!


 ゆん菜は縮みあがる。


「第二王子のハルヴィンさまです。だから、彼への暴力は重罪なんですよ」


 ハルヴィンと聞いたとき、体に電気のようなものが走る。


 すると、お腹のポケットの中でなにかが動いた。


 まずい、と思ったときには遅かった。


 メイメイを止めようと手を伸ばすが、間に合わない。ポケットから飛び出したメイメイは、リスから狼のような姿に変わった。


 ハルヴィンに飛びかかる。応戦したハルヴィン剣を抜く。


 メイメイは宙を舞い、ハルヴィンの背中に爪で傷をつけた。

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