第2章 14話 ダークブラウンの髪の少年⑤
「また、あなたは……」
ラヴィエがため息をついた。
「むやみに女性に近づかないでください。また評判が落ちますよ」
「ねえ、小鳥ちゃん。この森には女の子に人気の花が咲く大木があるんだよ。見に行ってみる?」
深い色の瞳でゆん菜を見つめる。
まるでヒョウのようだった。
アレルギー反応で鳥肌が立つ。ゆん菜は早足で通り過ぎようとした。
「あれ、逃げるの? 顔が赤いよ。かわいいなあ」
「いつもいつも、ふざけないでください」
「それだけ、かわいいってことだよ。……ああ、艷美なラヴィエさんにはない魅力だもんな。嫉妬か?」
彼はゆん菜の腕をつかんで、顔を覗き込む。
ゆん菜の顔はきゅーっと熱くなり、湯気を吹く。
気がつくと、ゆん菜は彼をつき飛ばしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます