第2章 2話 村はずれの森で②

 メイメイは、小雲獣が敵なのか分からなく、困りきったらしい。問うようにゆん菜を見た。


「だいじょうぶ。小雲ちゃんだよ」


 ゆん菜は小雲獣の前にすわる。おいでと、手招きした。


 小雲もゆん菜に興味を示す。


 少し近づいてきたが、やはり警戒しているのだ。身を翻して行ってしまった。


「また、守ってくれたね。ありがとう」


 ゆん菜はメイメイを撫でた。キュンとメイメイは喜んだ。


 だが、次の瞬間、また葉擦れの音がした。またメイメイが両腕を広げで、ゆん菜を庇う。今度は飛び立つ鳥だった。


 ゆん菜はうんざりした。ものすごく疲れた。


 いつもなら大好きな森だが、今日はちがう。


 村はずれのこの森に、王族が視察に来ていると聞いたからだ。


 いつ王族と出くわすか分からないから、神経がすり減る。物音にびくついたのは、もう何回目だろう。

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