第1章 18話 宮廷聖女と召喚術③

 シスターはぴくぴく頬を引きつらせた。怒りで肩を震わせる。


「なにをするのですか?」


「……今のも、わたしのせいじゃありません」


 ゆん菜はささっとシスターから目をそらした。


「あなた、その未熟さで、宮廷聖女を目指すつもりですか?」


 ゆん菜は泣きたくなる。


「堪えるということを覚える気はないのですか?」

「だから、わたしがわるいんじゃありません。……あの、宮廷聖女は嫌だけど、見習いはしたいです。 どうかお城じゃなくて、この教会で」


 お城は怖いんです。どうか、どうか。


 いい終えてから、後悔する。都合が良すぎる要望だろうか。


「ぽんこつ……」


「ぽんこつ?」


「ええ、ええ。あなたはぽんこつ見習いです。なぜ、そう幼いのです。お願いだから、もっとしっかりしてください」


 シスターはふらっと体勢を崩した。怒りのあまり卒倒しかけたようだ。

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