第1章 14話 守護獣メイメイ④

 やがて、なにかがゆん菜の脚にぶつかってきた。

   

 メイメイだ。メイメイはゆん菜の体に駆け登り、髪と背中の間に滑り込む。


 体はリスのように小さくなっていた。


 普段のメイメイは小動物くらいの大きさだ。仔犬のように縮んで丸くなり、手足だけリスのように器用になる。

 さっきまでの迫力は消えてなくなった。


 メイメイは震えだす。

 いきなり消えたシスターを、幽霊のように思って怯えているのかもしれない。


 ひとしきり震えたあと、ゆん菜の首にすり寄った。安心したように息をつく。


「だいじょうぶだよ。メイメイ」


 ゆん菜はメイメイを撫でた。


「今日はありがとうね。かわいいよ」


 メイメイは目をきらきらさせる。女の子だから、かわいいというと喜ぶのだ。


 キュンと鳴いてうなずくと、ゆん菜のワンピースにあるポケットに潜り込んだ。


 カンガルーの育児嚢のようなポケットだ。


 普段のメイメイは、ポケットの中にいる。メイメイはあっという間に寝息を立て始めた。


 すうすうと声が聞こえた。

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