第1章 13話 守護獣メイメイ③

 ゆん菜の前に立つメイメイは、まだシスターを睨んでいる。


 今日のメイメイの怒りは、なかなか収まらない。

 ゆん菜のストレスが伝わっているのかもしれない。


 どうしよう。

 ……優夜先輩、優夜先輩。


 心で繰り返したら、メイメイの表情は少し和らいだ。


 ふいに、教会の中からシスターが呼ばれた。急用のようだ。


「少し待ってなさい。マリーユナ」


 シスターはいい残すと、早歩きで教会に向かって行った。

 天の助けだ。

 ゆん菜はささっとメイメイを目隠しした。


 攻撃相手が遠ざかり、視界からも消える。

 目標を見失ったメイメイはやがて、困ったようにキャウンと鳴く。


 シスターの姿を探そうとするが、ゆん菜は両手で目を覆った。シスターの姿が教会に消えてから手を放した。


 メイメイはシスターを捜す。


 キュンキュンと辺りを歩きまわった。


 急に目標が消えたようで怖くなったのだろう。どうしたらいいか分からないのだ。


 ぐるぐると丸く駆け回った。

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