第1章 11話 守護獣メイメイ①

「だから、守護獣で周りを攻撃するのはやめなさいっ」


 また叱られたと、ゆん菜は泣きたくなる。


 先輩……。

 優夜先輩、助けてー。


 名前を呼んで気持ちを落ち着けた。


 シスターは手を光らせる。霊力を発したのだ。

 彼女の手の平から光の粒が落ち、風に乗るようにしてメイメイの瞼に降る。


 メイメイは急に眠そうな顔をし、目を半分閉じる。頭を振ると、慌てたように後方に飛んだ。

 シスターにうなり声をあげる。


「だから、攻撃はやめなさい」


「……わたしはわるくないです。シスター」


 わたしはメイメイに威嚇なんて頼んでない。


 ボールだって、メイメイは勝手に破壊した。


 メイメイは優夜が連れてきてくれて、優夜と一緒に契約した守護獣だ。

 霊力が強いゆん菜は楽に契約できたが、制御はうまくできなかった。


 普段はそうでもないが、攻撃体勢に入ったメイメイは全然いうことを聞いてくれない。


 シスターには何度も説明した。だが、彼女は取り合わない。


 だったら制御なさい。あなたの才能ならできるはすです。

 そう繰り返すだけだった。

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