第11話 誤魔化さないと

「マスター、おかえりなさ〜い!」


純君が、帰ってきた。

執事服に着替えて。


はぁ〜、惚れ惚れするほど、似合うのよね〜?


ワクテカ顔の純君が、


「小鳥遊!これからどこへ行こうか?」


「っ!行かないわよっ!!沙羅ちゃんをどうするのよっ!」


思わず伸ばされた手を、取ろうとしちゃったじゃないのよっ!


危なかったわ。また、初体験の時のように純君を押し倒す所だったわ。

あの時も、文化祭のメイド喫茶の出店で、私がメイド服で純君が執事服だったのよね。


「沙羅ちゃんも、一緒に行けば良いじゃないか?」


「っ?バッカじゃないの!何考えてるのよっ!」


「ん〜、公園かどっかで、撮影会を?」


「…………………………………………!」


「…………………………………………?」


「…………………………………………?」


「え〜、っと、その〜?」


「小鳥遊さん?どうしましたか?お顔が赤いですよ?」


「……………………何でもないわ、純君、そこへ座ってくれる?」


なんとか、誤魔化さないと!

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