第7話 プロポーズされたのに

「私、マスターに『プロポーズ』されたのに、色々お誘いしても何も手を出してこないんです。どうすれば良いと思いますか?」


「……………………いつ、プロポーズされたのかな?」


「なんと、バイト2日目!」


「……………………沙羅ちゃん?貴方、さっきまで純君の名前も知らなかったのよね。何かが違うような気がするから、後で純君に確認しておくわねっ!」


「はいっ、よろしくお願いします!そうだ、改めてありがとうございます。」


「何にお礼かな?」


「この衣装達です!チラシ配りで、一昨日はメイド服で、昨日はバニーちゃんで、今日はこの『バドワイザー』って書いてあるのを着て、大活躍しました!」


小鳥遊さん?なんで、突然立ち上がって呻き声を上げて悶えてるんですか?


「ハァハァっ、沙羅ちゃん?」


「はい!何でしょうか小鳥遊さん?」


「……………………色々と想像しちゃったから、もう我慢できそうもないから、私にもそのコスプレ、今すぐに見せてくれないかな?あっ、撮影もしていいかな?」


「お安い御用ですぅ〜、どれからにしましょうか?でも、ここ最近、私が、身体のあちこちが育ってしまって、少しキツめなんですよね。」


ウェイトレス制服を脱ぎ捨てながら、


「小鳥遊さん、どれから着ていくかリクエストをお願いします。」


「やっぱり、定番の、メイド服から、ですよね〜!」


小鳥遊さんのご要望にお応えして最初にメイド服を着て、次々と着替えて、小鳥遊さんがスマホとデジカメで撮影していきます。


最後にスケスケ網タイツを着ようとしていたところにノックと共に、


「失礼、入るよ〜!」


マスターの声に私は反射的に、


「どうぞ〜、鍵開いてますよ〜?」


「っぇえっ!だっ?めぇ〜!!」


小鳥遊さんの慌てた引き止めが間に合わずに、開けられた扉の向こうで固まるマスター。


私、今、ほとんど全裸だな〜と気が付いたときにはもう遅かったので、


「マスター?似合ってますでしょうか?」


慌てず騒がす、ゆっくりと、マスターに正面から目を合わせたままで、スケスケ網タイツボディスーツを着て、胸を張って腰を突き出します。


このボディスーツ、『大事な所』が全く隠されてないんだけど、今更取り繕っても遅いから、開き直ります!


「……………………君達?何をやっているのかな?」


「「コスプレ撮影会で〜す!」」


「……………………まさか、今着ているのも、撮るのかな?」


「まさか〜、これは〜、なしかな〜?でも、チョットだけ、撮って残しておこうかな〜と思ったりなんかしてますけど?

マスターも、『これ』、御自分のスマホで撮りますか?

もう一度、全部着直しましょうか?」


「……………………沙羅ちゃん?それ、裸同然だけど、恥ずかしくないのかな?」


「何を今更!昨日、マスターの目の前で着替えまくって裸まで見せたではないですか。」

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