第6話 違うって、知ってるから!
「…………はじめまして?沙羅です!」
「ん〜、どうしたのかな、緊張してる?」
「いえ、マスターが『同級生』って言ってたから、意外だな〜と?」
「あら、ムサい男の子が来ると思った?」
「はいっ、あのメイド服とかスケスケ衣装とか色々と見たから、男性かと………」
そう、『あのコスプレコスチューム』を見てしまうと、女性は想像できません!
「えっ、あれを、見たの?」
「ええ、見て、着て、表を『歩き回り』ました!」
「………………………………純君、何を考えているの?」
「?純君??」
「あ〜、マスターの名前!純一!!」
そっか〜、マスター、純君なんだ〜?
「これですよね?」
事務所奥に、カーテンで仕切られた更衣室代わりのスペースにマスターが用意してくれたロッカーが置いてあり、そこから持てるだけ出してきてテーブルに置いてみた。
「……………………開封してあるって事は、着てみたのよね?」
「はいっ、楽しかったですっ!」
「……………………全部、着たのかな?」
「いえ、私にはとても無理なのも有りましたから全部では無いです!例えば、これとこれは無理でした。」
網目だけのやつとか、ヒモだけみたいなやつとかは、表を歩くのは、無理!
「…………………………………はあ、他のは着たのよね?私が悪かったわ、沙羅ちゃん、ごめんね?謝るわ。」
「?どうして謝られるんですか?私は楽しかったですよ、マスターの前でコスプレショーするのは!」
「っ!純君の前で着たの!コスプレしたの?」
「はいっ、マスターの目の前で着替えていたら嬉しそうでしたよ?真っ赤になってましたけど!
ところで、小鳥遊さんはマスターの同級生で良く知ってるんですよね?教えてほしいんですけど。」
「……………………色々不味い気がするけど、まあ置いといて、何かな?」
「マスターって、童貞ですか?」
「っ、違うわよ、私が一番『違うって』、知ってるから!」
「…………………………………………」
「…………………………………………」
「もしかして、小鳥遊さん、マスターと、」
「ええっ、お付き合いしてましたから!!」
「意外です!」
「何を言わせるのよ!」
「もう一つ、聞いてもいいですか?」
「はぁ〜、もう、答える気力も無いけど、良いわよ、何かな?」
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