第4話 可愛くないメイドさんなら?

一昨日の、お話の、続き。


作ったチラシを、お店の前から駅に向かいつつ配りながら、結構な枚数を全部撒き終わって、戻ってきたら、もうモーニングラストオーダーの時間でした。


「マスター、チラシの効果、有りましたか?」


「うん!カウンターのお一人様3人、チラシご持参でした!沙羅ちゃん、ありがとうね!」


「やった〜!嬉しいですぅ〜?」


そのままの勢いで、カウンターのお客様にご挨拶を。


「お客様方、早速のご来店、有難うございます!」


スーツの若い男性お一人、ラフな格好の美人女性年齢不詳お一人、性別不詳美人で高校生か大学生ぐらいかな〜と思われるお一人。


美人女性が、


「あら、どういたしまして。こんな所にこんな素敵な喫茶店が有ったなんて初めて知れたから、嬉しいわ。」


ウンウンと、頷く他のお二人。


男性が、


「右に同じ。」


性別不詳美人が、


「美味しいわ〜、明日から毎日出来るだけ寄らせてもらうわね〜。」


声を聞いても、年齢性別不詳?

常連様になってくれたら、聞いてみようかな!


奥に引っ込んで、ウェイトレス制服に着替えて、3人にお冷のお替りを注いでまわろうとしたら、


「「「えっ?!」」」


一斉に、私の顔を、覗き込まれてしまった。


「……………………もしかして、さっきの、メイドさん?」


「そうですよ?あれは、チラシ配り専用ですからね!」


「「「……………………お願い!毎日チラシ配って!!」」」


なんで、3人の声が、揃うんだろうか?

気が合うのかな?

今日、初めて会ったんだろうに。


「可愛いメイドさんを、毎日見に来たいんだけど!」


と、美人お姉様。


「お客様、申し訳ありませんが、風営法の関係でメイドの格好では接客は出来ないのでご了承願います。」


マスターから、助け舟が。

そうなんだ。毎日は、出来ないんだ。

可愛くないメイドさんならどうかな?

たまになら、良いのかな?


「う〜ん、残念!でも、毎日来るわよ。宜しくね?」


ウンウンと、頷く両隣のお二人。


「有難うございます!私は、夏休み中は、ほぼ毎日出てますからご贔屓に願いますね。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る