幕間:意外と空気の読める男
「俺、沙織に告ろうと思うんだ」
「そうか。ラーメン、奢ってやるよ」
「フラれる前提で話を進めるな。…いや、成功するとも思わないけど」
「絶対無理だろ。だって、あの倉石さんだろ?無理無理」
そして放課後。
何やら2人で話している。
あいつ、成功するとでも思ってんのかよ。
お、あいつが振り返ったぞ。さあ、どうだ?
あ、走り出した。やっぱり、失敗か。
というか、そんなに悔しがるくらいなら、最初からするなよ…ん?
あの顔…悔しいわけじゃないのか?
よく考えたら、あいつ成功するとは思わない的な事言ってたよな。
じゃあなんで走ってんだ?あんな泣きそうな顔で。
付き合うことが目的じゃないのか?だとすると…
この件は、あまり触れないほうがよさそうだ。
そして、これを境に、2人は良く話すようになった。
クラス中でも噂されていた。「あの2人、付き合ってるんじゃない?」って感じで。
いやアイツら、フッたフラれたの関係だろ。
なんでそう仲良くなれるのか。
これが幼馴染の力…?
とりあえず、ラーメンはアイツが食いたいって言いだすまで待とう。
そうすりゃ、忘れてくれるかもだしな。
いやだって、嫌だもん。
あいつ絶対、誰かにおごってもらえる時はその店で一番高い料理を頼むタイプだろ。
********************
そして、そこから数か月たって。
事件は起きる。
2人を引き裂く、凶悪な事件が。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます