ホワイト

優の過去(紫絵海邂逅前)

｢誰か 私を …して｣

天才とか神童とかそんな名誉は要らない。

他人が私をなんて呼ぼうとも私は私だから。

可愛い服とか美味しい食べ物も要らない。

見た目なんて余程変じゃ無ければいいし、食べ物だって栄養になればなんでもいい。

欲しくなったら作ればいい、材料（元素）はいくらでもあるし、組換えるための設計図も作れる。

私は何も要らない。

どんなものでも手に入る。

どんな…ものでも……

……愛は1人で手に入らないけど…

私はなんでも出来る。

なのになんでみんな見てくれないの？

｢あの子の考えることは分からない。｣

｢私たちの手には負えない。｣

｢きっと私たちなんかと遊んでる暇ないよね｣

どうして？

私のこと見て？私はここにいるのに

…足りないの？もっと努力しなくちゃいけないの？すごいもの作れば見てくれる？

不老不死は出来ないけど不死は出来た。

魂をデータ化して死んだら身体を分解、再構築して元に戻すシステム。

すごいでしょ？これでみんな見てくれる？

なんで…そんな目を向けるの？

そんな…化け物とかを見るような目を……

そっか私…間違えちゃった……

私は天才かもしれないけどこれは天才じゃなくても分かるかも…今日の屋上の風はいつもより冷たいな

さよなら、みんな元気でね…

[ 個体名:優 再構築します ]