第2話現実と裏腹
「痴漢です!!」
そう声が聞こえたと同時に僕の手が引き上げられた。それと同時に周りの男性たちに押さえ付けられた。
「やめろ。やめろ。」
俺は暴れまくった。が、数の多さに圧倒され、あえなく駅員室に連れていかれた。
「神様も俺を苦しめる気か。俺に味方など一人もいないのか。」
そう思いながら、絶望した。
駅員室へ向かって歩いていると、
痴漢と叫んだ 女子高生が耳元で囁いた。
「何とかなりますから…冷静に。」
俺は困惑した…
なぜなら彼女は俺は冤罪を吹っ掛けできたのだから。どうせ、示談金を請求するのが目的なのだろうと踏んでいたからだ。
そして、駅員室に着いた。
そこで、駅員による尋問が始まる。
「触ったんですか?」という質問を筆頭に多くの質問を受けた。それに対し
「やってない!」と答えるだけの作業を繰り返した。
「まぁ、とりあえず警察呼んどるから待っときなさい」そう言って奥に引いてった。
「どうして……俺の人生は理不尽なんだ。」
そう思ったとき、 ドアが開いた。
あぁ…初の務所入りか…
「おい、駅員どこいった?」知らない男がそう言った。
「なんか警察だなんとか言って奥に行ったよ。」そう少女が応えた。
俺は警察じゃなかったのかという安心感と共に
その男が連れたサラリーマンかとても気になっていた。
「そうか。とりあえず奥行くか。おら来い!」
「やめてくれよ。話せばわかるから。」
サラリーマンの必死な形相を見て俺はこう思った。あぁ……この人も捕まれば俺と同じか…何もかも…
「ならなおさら来い。お前が"無実な理由"を駅員に直接力説してもらおうじゃないか」
「いや、何もしてないんだから、このまま返してくれてもいいじゃないですか!」
そんな言い争う2人に奥から駅員が来て声をかけた。
「何やってるんだ!!ここは喧嘩するような場所ではない。要件がないなら出てけ!」
「おっと、そちらさんから来てくれるのは助かった。連れてきましたよ。本当の犯人。」
「何のだよ。」
「痴漢のだよ。」
そして、サラリーマンは駅員の方へ軽く背中を押されて前に一歩踏み出す。
「それはこいつがやったんだろ?」
「わかりました。動画、見ます?なんなら監視カメラにも写ってると思いますよ笑」
「なぜ録画何か…」
「ちょっと初めて来た駅なもんで、記念に…」
「反射とかを実際にとって確認するためにホーム構えて動画撮ってたんだよ。そしたらホームの列のトップにその男がいて、隣でそのサラリーマンが痴漢しとったんや」
俺はもうちょい簡潔に話せんかなと思ったものの自分の逆転のチャンスに喜ぶ。
「なんなら、監視カメラ見てもらっても?」
「いや、もういい。帰っていいぞ。ただ、少年はサラリーマンを警察に引き渡すまで待っとけ。」
「チッ」
「行きましょうか。おじさん。」
ドアをそういって開けてきた。
「あぁ。ありがとうな」
そして。2人で外へ出る。
すると、
「ねぇねぇ、飛び降り…やめる?次の電車1分後だし、またやりかねないでしょ?」
俺は核心をつかれた。
「図星かよ!」
そう言って彼女は笑う。
「うちらとちょっと来ない?話聞くから。」
「アンタ何かに聞かれて治まる問題じゃねぇ。」
「じゃあ、プロにお願いしよっか。ちょうど来てくれるし、」
「はぁ…?」
そして、俺はこいつにチクられて警察署に連れていかれ………
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