第11話 トーナメント② 冷酷な方向へと

~キュアンナに回復させてもらい、商店街のみんなにもまれまくった後~


「ふ~~疲れた~」

 

「案外余裕で勝つとは。意外だね。」


「フーン。僕だって特訓はしてるんです~。」


「こうなったら俺もフェリアも二回戦までいかないと後味悪いしな~。

  ほんと、最弱のくせによくやってくれたよ。」


「ム~!君たちよりは弱いかもしれないけどね!実は僕はこの学園三位なんだぞ!」


後ろから三人が来る。セフィム、ファッスル、マーセンだ。あの人たちももグループになって特訓でもしてたのかな?


「あれがケイルっちゅう奴か!ようケイル!うちのセフィムを倒すとは、なかなかやるやんけ!俄然やる気がみなぎってきたぜ!ついでに二回戦でマーセンの相手よろしくな!」


「うーん?いかにもボスっぽいやつか、、あんまり部下を上げないほうがいいぜ?お前は1回戦で俺に負けるんだからな。」


「ホーン。えらい強気だなユード。お前もトップ4の一角っだけどな、俺とは天と地の差があんのや!」


「ホーン。その体型でよく言うぜ! 胃袋を拡張させるでも魔法使ってんのか?」


「あ、、あ、あの~」


あわわあわ、ユードのやつ、何ヒートアップしてんだよ!


「、、、私もこんな因縁に混ざりたいなー。、、」


フェリアまで!キュアンナもダメみたいだしこうなったらあいつらに助け舟を


「キー!剛帝ファッスル様をコケにするとは!此の不敬め!」


はあ、、、もうこれ無理だ。  


[試合開始10分前です!マーセンとカミナはすぐ大広間に来るように!]


「オーっと、こんな挑発するために来たんじゃないわ。セフィムを倒したケイルやお前らにマーセンの恐ろしさを見せに来たんや!」


ふう、、何とかなった。そうして、セフィムとファッスルが俺の隣に座ってきた。


「カミナ、マーセンか、、、ケイル。よく見ておいたほうがいい。」


ユードがとても冷静に話している。もっとも、この試合こそが二回戦の相手の攻略につながるだとか。まあまた10分間ファッスルと挑発しあったんだけど。


「Aブロック第2回戦、マーセンvsカミナ! 始めい!」


お互いに見つめ合っている。なかなか手を出していない。緊張が走っている。


「シグナル。」


均衡が破られ、矢印が這う。その矢印はカミナを追尾し、1本、1本と増えていく。

しかし、


氷結アイスロック


矢印を覆うように氷が発生した。しかし、矢印はそれを通り抜け、カミナの腕に巻き付いた。 カミナが壁に向かい、回転しながら吹き飛んでいく。カミナは受け身を取り何とか大ダメージから逃れることができた。


「おいおい、、、あいつ、、概念魔法を使用している!?」


「おお、よく気付いたな。」


「ファッスル、、、あいつは本当にAブロックの人間なのか?概念魔法なんか持っている人間は貴族たちが囲い込みに来たりすると聞いているんだけどな。」


「何ってるんだ。11年前のあの内紛で貴族の力もがた落ち、今では国の主役は軍部だろ? 概念魔法なんて囲っていたら自分らが滅ぶ、そういった痛い目を見させられたんだからさすがにな?」


「うーん。でも軍はほし」


とたん、この場にいたほとんどの人間の背筋が凍る。マリウス先生がにらんでいる。

その目は真っ黒で、怒りも込められてた。 話はすぐに立ち消えになり、僕らはまた黙って試合を黙ってみる。


「氷棘・五重アイスティンガー・フィフススレイブ。」


カミナの攻撃は止まらない。瞬く間にマーセンは不利な状況へと追い込まれていく。

、、シグナルは防御するすべがない。どちらにも。、、

皆が顔をしかめていると、セフィムが

「はっはっは!マーセンは「黎明者」!此の八方ふさがりの窮地すら、持ち前の頭脳で切り抜けるのよ!」


「シーっ!!ケイルに長所ばらしてどうすんだよ!」


「あっ。」


「、、、開きすぎた実力を頭脳なんかで埋める人間に勝利はあり得ない。なぜなら先に切り札を見せることと同じだからな。」


「オォン?マーセンのこと舐めてんのか?」


「ちょっと!ユード!ネガティブワードはダメ!!」


フェリアがハイヒールでユードの頭を殴り、ユードはダウンして血を流してしまった。


「あっ、、、やっちゃった、、ごめん!」


キュアンナはフェリアにビビりながらユードを回復させていく。


依然カミナが有利、マーセンは壁際まで追い詰められてしまった。

しかし、まだファッスルとセフィムは何かしら動揺をしていない。


「氷の斬撃アイススレイバー


「行け!マーセン!ブチカマシてやれ!」

「あいあいさー!」


攻撃がマーセンに直撃する瞬間、マー線が壁に触れた。その時、マーセンは壁を滑り一気に加速した!

矢印を5つカミナに向けて撃つ!防ぎようのない矢印にカミナは四肢を縛られ、そのうちの一つはマーセンに向けて引っ張る!

マーセンは腕に矢印をつけ、壁を飛び出しカミナにパンチを放ち、顔面を打ち抜き壁に突き刺した!


「どうや!これが遠心力+こぶしの速度+無防備の3つのアドを取り放つマーセンの必殺や!名前は、、エクストリームストライクでええか!」


中二病ばっかり、、、


ファッスルが意気揚々と話すが、カミナはめり込んだ壁から戻ってきた!

しかし顔が痛んでおり、鼻血、吐血までしているし、ボロボロだ。


「、、、本気で行くよ、、、」


カミナの目つきが鋭くなる。危険を察知したマーセンは、また壁際に戻る。

先ほどと同じ技をしようと壁を滑るも、、、


全方位氷弾オールブレイク


マーセンには避けようがない氷の弾丸を何十発もくらい、振り落とされたかのように壁から滑り転げた。


「あかん!遠心力の分えげつないスピードで吹き飛んでいく!」


そのままマーセンは六角形の壁を何周も激突し、もはや意識ももうろうとした状態でカミナのもとに転がってしまった。その先では、カミナが右手を向けている。


「ぐううん、、」 


「マーセン!!立て!何とかして立ち上がれ~!!」ファッスルが言うも、マーセンはすでに指を動かすだけで精いっぱいだ。


「、、、し、、ぐ、、な、、、、る、、、、、、」


「よく頑張ったね。じゃあね。」「永久の氷獄エターナルロック。」


一部屋くらいはありそうな氷の塊にマーセンは閉じ込められてしまった。


「先生。試合続行は不可能よ。」


「、、、マーセンの気絶?により、カミナの勝利とする!!」


ファッスルとユードもマーセンのように凍り付いてしまっている。カミナはまだ奥の手を残してるのは誰にでもわかる。「俺らとまるで遜色ないやん!」と驚いている。


「あいつがAブロック?おかしいだろ、、、俺も勝てるかわかんねー。」


おいおいユード。そんなこと言ったら僕怖くなってくるんですけど。


「私も、あの者に負けたわ、、、」


セフィムもかなり弱気になってるし。商店街のみんなも僕が負けると思ってるかな?

















「ネーミングセンス負けた、、、悔しい、、、悔しい!」



そっちかよ!





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「ブレーブ王、そなたの国の資源、、、すなわち電気の年間発生量の70%を

ウェネミに献上しろ。」


「そんな!あなた方の水資源を使い、発電することはできぬのか!」


「設備、地形条件等がいろいろと面倒でな、、、条件が飲めぬというならば、武力、ひいては魔術で攻めねばならぬことになるな。」


「、、せめて、、せめて30%で手を打っていただけませんか!?」


「無理だ。」


「くっ、、、この答えは今すぐ出せそうにありません。しばし時間を。」

「それに、私にはあの子らの試合を見る義務があります。どうかご無礼を。」


「ああ。了解した。」


その後


「キンズさん。あんな強気で他国の王と取引してもいいんですか?」


「こればかりはメリデムの言う通りでございます。現に恥ずかしながら、あの護衛の魔道軍帥なる者どもは私なんかよりも確実に上であります。」


「まあまあ、弱腰になる必要はない。あいつらの目的なら私は知っている。そして今の無能王さえ守れればいいと思っているだろう。はなから資源はもらえないことぐらい知っておるさ。」

「本当の目的は、均衡を崩さぬほどに領土を奪うこと。わかったか?」


「了解しました。」 「はい。承知しました。」











・「シグナル」

使用者 マーセン

分類 概念魔法 (象形魔法)


方向の概念を矢印にして放つ魔法。概念を自分や相手に与えるタイプであり、視覚化は可能だが、矢印の回避、防御は一切不可能。向き、力を自由に変更することが可能であり、自分に矢印を張り付けてある場合は、矢印の力を強めていくことや、進んでいる向きの変更も可能である。相手にぐるぐる巻きにしてつけることにより、相手を翻弄していけるのが強み。












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