第6話 9月25日

家にいることもできずに外に出た。

外を出歩くのはもちろん怖かった。だって、あの子供をそれでも自分の家に訪れたスーツ男の方が怖かった。


歩いている途中でもあのスーツの男の事を考えてしまう。


彼はなぜ私の家を知っていたのだろうか。

考えだすと止まらなくなる。


そんな思いを振り払うように街中を歩いていると、今日は道行く人々の服装が気になった。

というのも、暦の季節は秋をさす頃だが、今日は夏の日のように暑い。そのためか、通りを歩く人の服装は半袖から長袖まで様々にあったからだ。


1人目……。2人目……。3人目……。普段、人間観察をする時には、その人が着ている服装からこの後の予定を予測していた。

そのため、1度人間観察を始めると止められなくなる。


その時だった。人と人の合間に赤い服がチラつき始めた。

始めは気のせいや見間違いだと思った。しかし、時間が立つに連れてそれははっきりとした見えるようになっている気がする。

恐怖が込み上げすぐに移動した。

それなのに、赤い服はずっと私を追いかけてくる。


歩いても歩いても赤い服が見える。

そして、その服があの時の赤い服の女性のものと似ているきがしてならない。


そうこうしている間に、歩き続けて疲れ私は立ち止まった。そして、正面を向いた時に私は気がついた。


そこには、一枚の窓ガラスが鏡のようになっており、私の姿を映していた。

そして、私はあの女性が着ていた赤い服を身に着けていたのだ。



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