第7話 常連と名のもとに

 ジムの常連さんです。

 GWに入った。今日は部室御用達のジムに入り、1人で自主練。最近は7級で物足り感じるようになった。今よく練習しているのが、足の踏み替え。足を乗るホールドで支えるには。左右の足を近づけてから入れ替えるか、空中で軽くジャンプして左右の足を変えるか。これができると6級でも勝負ができる。

 今日は店員さん誰だろ? 新人さんみたい。あれ?

「吉田さん!?」

「あ、未来ちゃん」

 話によると、GWの短期バイトで入ったらしい。店長一家が旅行に行くために、前から募集してたんだとか。

「いやぁ、今日は店員か、未来ちゃん、聞きたいことあったら何でも聞いてね」

 思わず問いかける。

「吉田さんはお店にどのくらい入るんですか?」

「他にもバイトがいるから、俺は1日6時間くらい。今日から連続3日入ってるよ」

 サークルの人間とサークル以外で会うと、なんだかドキドキする。

 通おう。そう思った。吉田さんのファンだから。吉田さんの常連になろう。他の部員には内緒に――――。

 しかし、やはり大学近くのジムだから、

「吉田君!?」

 壁に耳あり障子に目あり。

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