第2話ボルダリングの説明難しいです
「きてしまった」
結局、17:30に集まったのは私含む男女6人。女性2人、男性4人。皆ボルダリング経験者みたい。大学の近くのボルダリングジムで簡単に挨拶した。
「今日参加する未来ちゃん。新入生だって。未来ちゃん、今日は上級生5人だけど、全部で10人くらいいるから」
「須田未来です。ボルダリングは初めてです」
サークルの見学用に持っていたジャージに着替えて肩までの髪をハーフアップにしていると、唯一の女性から話しかけられた。確か、桜さん。ポニーテールがとても似合う、スレンダーな人だ。
「未来ちゃん、ボルダリングは個人差があるから気にしないようにね。私なんて3年やってても6級、時々5級が登れるくらいだから。初日から4級登れちゃう人もいるのよ。私は2年。よろしくね」
「そうなんですね」
このジムは8級からあるから、6級はそこまで難しくないのだろう。でも、桜さんは着替えから楽しそう。きっとボルダリングが好きなんだろうな。得意でなくても、好きっていいな。
説明を受けて、皆の前で登り始めると緊張する。
「スタートのホールドを両手で持って」
「足はどれでもいいから」
「同じ色のテープを確認して登って」
そこかしこから部員の声がかかる。ボルダリング初めての私が、ボルダリングを続けたいと思うかは、今日次第。今日限りでボルダリングをしないかもしれない。まだボルダリングサークルに入部するかは、分からない。
私は初めてだから、一番下の8級を上っている。大きなホールド。スタートと書いてあるホールドを両手でさわって、始める。同じ色のテープが貼ってあるホールドをつかみながら登る。ジムの張り紙に、6級まで足自由とあるので、8級の私はどのホールドを足に使ってもいい。
ゴールではホールドを両手でさわり、保持する。保持、あっそれっぽい、ボルダリングっぽい。
ボルダリング、始めました。
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