第13話 式2

ウェディングベルがなる。

二組の夫婦がドアを開けて入ってくる。

母も義姉もどちらも大変美しい。共に歩く伴侶の方は、トーテムポールとハンプティ・ダンプティと言ったところだが、まあ、しょうがない。顔が若干しまったので努力の結果は出ている。


あの後、義姉の方も『おめでた』が判明した。だから、あそこに並んでいるのは4人だが、6人だ。披露宴を取りやめる話も出たが、有希子さんの「面白いからやっちゃえば」の一言で、やることになった。流石に招待してないので、後で椎ちゃんと一緒に我が家でDVDを見ることになっている。


義姉のほうも、「ドレスのサイズを全部変えなくてはいけない。」「体の負担も考えて、披露宴は簡素にしないといけない。」次から次へとぼやいていたが、兄ともどもうれしそうであった。


おじさんには、兄と姉で、『兄と母の結婚式を同時に行う』旨を報告したとのことだ。姉の話では、兄の式には呼んでもらえると思っていたらしく。ひどく残念がっていたそうだ。姉は、『あの、図々しさは才能かもしれない。』とぶつぶつ言っていた。私たちの式にも呼んでもらえると思っているのかしら。

「あんたの式には、『父さん実は生きてたんだ。』てやりたいのよ。」

姉が言う。どちらにしても、だいぶ先の話だ。


誓いの言葉が述べられ、二組の夫婦が合わせて宣誓した。


この日決まったことは、病める時も健やかな時も共に支え合って生きていくことと、これから色々あるけれど、みんなで話し合いながら毎日を進めていくことだ。

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