第19話 嵐は突然に

「んー、よく寝た」


 爽やかな朝日が差し込む朝。すっかり熱はおさまったようで身体が軽いなと雨霧は感じた。やはりストレスが原因だったのかなと思いながら、リビングへと向かう。すると朝ごはんを作っていた晴明がいた。


「おはようございます雨霧さん。体調は治りましたか」


「おはよう晴明。うん、体調はよくなったよ。ありがとう」


「よかったです。朝ごはんできたら一緒に食べましょう」


「手伝おうか?」


「いや、雨霧さんは病み上がりなのでゆっくりしていてください」


 そう言われ雨霧は晴明の気遣いに喜びを感じながらも、大人しくしようと思い自分の席に座る。暫く見ていなかった光景に懐かしさを感じながら、野菜を切る音に耳をすましていた。


「ご飯できましたよ」


「ありがとう晴明」


 料理のいい香りが漂い始めると出来たみたいで運ばれてきた。晴明はいつも通りパンだが、雨霧には気を遣ってか梅がゆに変更されていた。こういうところも好きだと感じながら受け取る。いただきますと手を合わせて一口食べてみたが、ちょうどいい塩味で美味しい。梅干しの酸味が口をさっぱりして夏にぴったりだと感じた。


「やっぱり晴明の料理は美味しいな」


「そう言ってくださると嬉しいです。ありがとうございます」


 そこからまた会話が弾んでいく。雨霧は出雲のことや雪宮のことを忘れて楽しんだ。食後の緑茶も冷たくて和む味に心が落ち着く。これからどうしようと考えているとラインがやってきた。差出人は雪宮で一緒に遊ばないかという内容だった。雪宮の想いを知っているので、断ろうかと悩んだが文面の最後に友達として遊びたいと書いていたので、それならと雨霧は了承した。

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