第8話爪を研ぐコヨーテ

鈴蘭の丘は一里山の北斜面を開発した切り土、盛り土の成果で出来た墓地と丘陵を利用した草原の台地を若者受けする高台が、初日の出暴走を敢行する格好の暴走族の聖地となっていた。

 全員フルフェイスを脱いでいた。

17名の中には、角刈りの長い前髪をジェルで角の様に固めて、ササクレ立った心模様を表しているような者や、全てを諦めたかのように丸坊主の後、カミソリでツルツルに剃ったスキンヘッドがその中に居た。

 眼がギラギラと光り耀いていた。コヨーテのように・・・。

 まるで死闘を果たして負けた方の喉元にとどめを刺し血肉を貪る獣の様だった・・・。

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