第9話唸るFX400
ほとんどが、マフラーをカットしたKABAYAKI FX400CCだった。
立ち枯れたどんぐりの木に瀕死の枯れ葉がしがみつき、それを落とさんばかりにカラカラと渇いた風が吹いていた。
「今からレディース紅生姜(べにしょうが)を解散する!」総長の宣言で中型バイクに股がった総勢が愕然として174㎝あるショートボーイッシュの庄屋三崎(しょうやみさき)総長を見詰める360度の輪の中心に向かった円形の視線に刺された直美はグルリと部下を見回し、「そう言う事で皆に集まってもらった。じゃ、気いつけて帰れよ?」
「待ってくれサキ総長!」
三咲が背中を向けた時、一台の大型バイクから降りた池永奈緒美(いけながなおみ)が問い質し、威嚇する中型バイクを縫うように三咲に近付きロンドを描いて見守る少女達の方へ大声で内部告発をした。
左胸のユニオンジャックが膨らみ煌めいていた。
三咲よりも長身の奈緒美が三咲を見下ろして華奢に見える三咲を睨みながら、「おいみんな、重大な報告だ!」全員に聴こえるように視線を外さず大声で拡声していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます