第5話 北の領地


 街を出て3日たった、俺たちはただひたすら歩いている。

「なぁ、こんな荒野があるなんて知らなかったが」

「俺も初めてだぜ!」

「キュゥ」

「何にもないからなぁ。見飽きちまったなぁ」

 だだっ広い荒野を北に進んでいく。

テントを張り空を見上げると満天の星だ。

 こんなの都会じゃ見れなかったことに感動している。

「コウタ、交代の時間だ」

「おう!」


 見張りをしながら寝るのも慣れてきた。

 身体強化の魔法と付与魔法を創造魔法で作ってから寝る。

「コウタ、お前また魔法で何かやったんだろ」

「悪い!寝過ごしたか?」

「いや、おきたらおきなかったからな」

「そうか。今日から結構楽になると思うぞ」

「魔法でか?」

「そうだ!」

「まずは朝飯だな」


 俺たちは荒野を走っている。

「これは凄いな疲れないじゃないか!」

「ひゅー!凄いねコウタ!」

「ピューイ」

「あははは」


 荒野にもモンスターがいる。

 地龍と呼ばれるグリーンドラゴンだ。

 AA!!!

『ギャオォォ』

 地龍は拷問を抉られて死んだ。

「あははは、AAはやばいな」

「あぁ、あんなの受けたら死ぬに決まってる」

「クリーン」

「これだけはミスリルソードを使いたくないな」

 さて、解体だな。

 途中途中でモンスターを狩っていく。

北の辺境伯領にいった時に換金するためだ。

 

 馬車でも買えばよかったのかまだつかないで走っている。

「まぁ、慣れたっちゃ慣れたな」

「お、緑が見えてきたぞ!」

「おぉ!やっとだな」

 緑の中を突き抜けていくと高い塀が設けられている。

「こんちわー」

「なんのようだ?」

「北の辺境伯領に入りたいんですが?」

「冒険者か?」

 冒険者証を見せて通して貰う。

 そこは広大な草原地帯だった。

 マップを見ると真っ直ぐ行くと街があるようだな。

 モンスターを避けて街まで行くと冒険者証をここでも見せて中に入る。

「おおー!」

 中は広く大通りがありやはりいろんな種族がいる。サッサと宿屋に行きたい気持ちを我慢してギルドに向かう。ギルド長からの手紙を見せると上に案内された。

 ゴッツイギルド長と言うしかないが、ハゲかけたごついおっさんが握手してくる。

「いや。遠いところはるばるきてくれてありがとう、何でもドラゴンがあるとか?」

「はい、レッドドラゴンと途中で狩った地龍もありますが」

「ほうそれは凄い、ではこちらに」

 連れて行かれたのは運動場のような場所だった。

「ここにレッドドラゴンを出していただきたいのですが」

「はい!」

“ドスン”

 と言う音と共に出てきたレッドドラゴンは氷が溶けることなく頭と首が離れている。

「こ、こ、これは凄い!血も一滴すら垂れていない!こんな状態のいいドラゴンは初めてですよ」

「これを金貨100枚でぶんどろうとした領主がいたんですよー」

「なぁにぃ!やっちまったな!こいつぁ金貨2000万くらい行きますよ」

「やっぱりですか?」

「それくらいの価値がありますからとりあえずはしまってもらっていいですか」

「はい」

アイテムボックスの中に入れると今度は地龍のほうだが、こちらはもう解体しているといい、出すとこれも驚かれた。

「解体と言うよりは一撃で倒しているようなそんな感じですね」

 そうですね、AAは秘密だ。

「そうですねこれだと金貨五百枚は硬いでしょうね」

 さっきから、買取金額が曖昧なのはなぜだろう?

「もちろんオークションに出品してくれるんですよね?」

「「「オークション?」」」

「あれ?オークションをしらないですか?」

「はい」

「この北の領地では様々なものが集まるのでオークション制度があります。もちろん手数料はかかりますが高い値段で落札されるので安心ですよ」

 だからこっちに来させたんだな?ありがたいことだ。


「オークションに出品させてください」

「はい!ではこちらで手続きを」

 オークションでは売り上げの3%が手数料として引かれるが、これは安いほうだと思う。二つ出品することにした地龍とレッドドラゴンだ。

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