第3話 音爆弾


 今日はこれくらいで勘弁してやるか!

バックアタックの成功率が100パーなのでどうにかなった。

「よっしゃー!最高金額だぜ」

「新しい武器を買おう!」

「AA用に武器が欲しいとこだわな!」

 ギルドでは俺たちが二日連チャンでキングボアを狩ってきた事に驚いていた。

「まじお前らスゲェな」

「僕は前からすごいと思ってたよ」

 なんとでも言ってくれ。

 一人金貨30枚超えた。三人で分けてだ!

「俺は短剣の新しいの買うんだ!」

「俺はAA用の武器を調達する」

「俺はようやく弓矢を新調できるな」

 三人とも夢膨らんでいる


 次の日は休みにして三人で武器屋を見にいく。俺のもってる長剣と同じような奴が金貨10枚か、買っとくだけ買っとかないとな。

「俺の新しい武器」

 ギースは嬉しそうに短剣を振り回して怒られている。


 ウィスは武器屋と話をして弓矢を新調するか検討中だ。

 そのなかに青光りしている剣を見つけてしまった。カッコいい!

 値段は金貨50枚、買えなくはないが今ここで散財は辞めときたい。今度だ今度。

 三人ともいい買い物ができたと大満足だ。

 あの剣はミスリルソードと言って魔法の通りがいい剣らしい。魔法剣士にピッタリの武器じゃないか!

 と買ってしまった。


 今の残金は金貨が十二、三枚。

 まぁ、全員同じくらいだろう

「コウタ金貸してくれ!」

「えっ!ギース?」

「俺の剣で金が尽きちまった」

「しょうがねえなぁ」

「俺にも貸してくれ」

「ウィスも?!」

「だいぶ痛んでたんで新調したんだが高くついてな」

「俺もミスリルソード買ったからあんまりないぞ?」

 二人とも使いすぎー!

「まぁ金貨が残ってるからそれを三人で分けよう」

 金貨三昧づつにしてこれで二、三日は大丈夫だ。

 明日は仕事だな!


 AA作戦開始する。

 らじゃ!!

 つっこめーー!!

 キングボアに狙いを定めるのはいい事だな。レベルも上がるしAA作戦さまは偉大なり!

 2匹のキングボアを仕留めて帰ってきた俺たちはギルド長に呼ばれていた。

「なんでしょうか!」

「君たちはどうしてもキングボアばかりを狙うんだい?」

「楽だから?」

「うん」

「そうか。キングボアがこのままでは値下がりしてしまうのでいっとき狩らないでもらいたい」

「え?」

「マジッスカ!」

「分かりましたがどのくらいの期間ですか?」

「半年は取らないでもらいたいかな?」

「そんな長期間ですか?つぎに狙いやすいのでおすすめはなんですか?」

「キングディアなんてどうだ?」

「げっ!」

「あいつらすぐ逃げちゃいますよ」

「それを狩るのが冒険者だろう?」

「分かりましたキングディアですね」

「あ。それとコウタはDランク昇格だからな。下でカードの更新をするといい」

 ギルド長も粋なことをしてくれる。

「はい!」


「やったなコウタ!」

「これで俺たち三人とも一緒だぜ」

「でも、キングディアねー」

 耳がいいんだよ。

「分かったなんとかしてみるわ」

「よし!あ、借りてた金貨返すわ」

「あ、おれも」

「お、おお。忘れてたよ」

「今後ともよろしくなコウタ!」

「おう!」

 俺らは宿屋で一杯やってから部屋に入ると、魔法を創造する。今回は簡単だったらしいから氷魔法もついでに作っていると寝てしまった。

“ドンドン”

「コウタ起きろ」

「ごめん!また魔法のせいだ」

「いいけど無理するなよ?」

「おう!」

 

 外に出てキングディアを探すといた!

 昨日作った音魔法で、三人とも耳を塞ぐと、“パァン”という炸裂音に体を硬直させたキングディアの喉元を刺す、これで3匹のキングディアを狩った。

一日に3匹も取れると思ってなかったギルド長も、ビックリしていた。

 金貨60枚!とびっきりの笑顔だぜ!

「おお。最近に調子いいみたいじゃねーか?俺らにもおこぼれよこせや」

「は?脳みそ湧いてんのか?」

「あぁ?テメェ殺すぞ?」

「お前こそ殺されたいのか?」

 氷魔法で足元から凍らしていく。

「わ、わかった!わるかったよ」

「分かったならいいじゃあな」

「解いてくれよーー!」

 ギースがからかってくる。

「ヒューかっこいいねぇ」

「バッカ!凍らされるぞ」

「あははは」

 次の日まで凍らされていたそいつは漏らしまくって恥ずかしそうに逃げていった。掃除していけよ!

「はい!」

「え?」

「あなたが凍らせたのだから始末してください」

 受付嬢の目が笑ってない。

「あっはい」

 創造魔法でクリーンを思い浮かべ作る。

「クリーン」

「よし!」

「あんな奴の汚物を処理したくないからな」

 そこだけやけに綺麗になった床を見て、ギルド全体をしてくれたら金貨10枚という言葉に踊らされてクリーンを使いまくってへとへとな俺。

「この10枚は受け取れねえよ」

「お前の金貨だ」

「あ、ありがとう」

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