第15話

カズ視点


 俺には男の友達・・・親友は三者しか居ない。


ーーーーーーー

 過去編 小学校


 俺は女の子からモテていた。そのせいで男子からはからかわれ、虐められた。


 時々女子に近づくために俺に話しかけてくる男子も居たが、長く続いたことはなかった。三者を抜いて


 「俺さ、女子からモテたいから一緒に遊んでくれよ」


初めてだった。素直にそんなことを言って俺に話しかけるやつは、


 でも、

 「俺、そんな目的で話しかけるやつ沢山いたけど、みんな結局は俺を騙したり、裏切っていじめるんだよ。だから話しかけるな」


「えっ、バレてる??」


そいつは素直だった。


 「ごめん、本当は女の子関係ないんだ」


「はぁ??」

 謝ったと思ったら、すぐに嘘を付いて


 「本当はただ仲良くしたかったんだ。ほら、カズくんって女の子にモテるみたいだから、女の子関係がきっかけに仲良くなれないかなって」


初めてだった。目的が逆だったやつは。


 それから、三者は俺によく話しかけるようになった。


 俺も子どもだったから、段々と打ち明けて、話すようになった。


 しかし、三者は男子からいじめられるようになった。


 俺と一緒に居たせいだった。


 ドッチボールで狙われて物は隠させて散々だった。そして三者は笑顔で


 「モテるって辛いね、嫉妬されて」


その言葉は、俺に初めて共感してくれた、俺の救いの言葉だった。


 それからも三者は虐められても俺と仲良くしてくれた。

 でもそんな姿を見ていられなくて、


「仲良くするの、やめようぜ、俺が居るとお前は虐められる」


「・・・そんな時もある」

三者はそう言い返した。俺は意味のわからない返事に思わず強く


 「だから、俺と居ると虐めらるんだってばかじゃねぇの??」


「まぁ、そんな時もある」


  同じことを言われた。


 それからその日は同じようなやり取りを繰り返して、仲が良いままだった。


 それからも同じようなことを言うといつも、そんなこともある。の一言で終わらされて、結局今も仲の良いままだった。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る