第7話

その後、親友たちはめちゃくちゃ心配して来てくれた。


 ドライバーさんはまだ俺のほんの少し年上くらいの女性の方だった。

 「いえ、寧ろあのスピード出せる道路で貴方がしっかり予想してくれなかったら、今頃後ろのもっと早い車に轢かれる所でしたよ」


「でもね、」


とても反省しているようで、多額を払うと言ってる。責任感もある人で尚更貰えない。


 俺も最悪こうなるかもと思ってあの時逃げたから覚悟の上だったし、


 「本当に、本当に大丈夫ですよ」


とりあえず、治療費と入院費を少しだけ払ってもらうことになった。最悪もっと大変なことが起きたらって連絡先も交換することになった。


 で、問題なのはその思わず庇ってしまった子なんだが、ショックが大きかったようで、家に引きこもってしまったらしい。まぁ俺は受け身取れたのも大きいから最悪あの時死んでたしね。


 父親は亡くなってるらしく、母親だけのようで母親さんからめちゃくちゃ謝罪をされ、辞めさせる、多額の金額を払うと言ってるが、とりあえず学校はそのままでいいと、あと治療費と入院費の運転手分以外も出して貰った。


 学校、来れると良いけど。


ーーーーーーー


 問題なのは退院した後だった。


 どうやら何処からかこの情報を手に入れた誰かが、俺が女の子を引きこもるまで追い込んだと言うことになった。


 「勇者、俺のためにも、怒ってくれ」

 ヒロは責任を感じているらしい。


 「まぁまぁ、元からそう言うの慣れてるし、親友達は事情知ってくれてるから良いよ、何より言っても無駄だしね」


「でも」


「今回の件は流石に広まると、あの子が戻ってきた時に学校で居場所がなくなっちゃうからさ」


「でも、ストーカーしたことが悪い」


「その通りだね。さらにそのせいでヒロと遊ぶ時間潰されたし」


「そうだよ、なら」


「けど、今回のこと広まったら、せっかく引きこもりから勇気を持ったのにまた引きこもってしまうかも」


「別にいい、そんな奴がどうなろうと、むしろそっちの方が新しい人が傷付かない平和になる」


「そうかも知れないけど、友達は傷つくし、母親も傷つくよ。あとその子は立ち直れなくて社会的に今後も終わってしまうかもしれない」


「・・・」


「最悪、自殺するかも。流石にそこまでは無いと思うけど、俺はそこまで追い込めないよ。」


「三者」


「知ってるだろ。俺人が傷付くこと好きじゃ無いって。あと自分で言うけど今の俺漢気あってカッコいいと思うんだよね。」


「今それ言ったから一気にかっこ悪い」


「あら、とりあえず今回のでヒロの俺への信頼度が上がったならそれでいいさ」


 もしも、俺が誤解を受けてることを知り、責任を持って謝りに来る勇気があるなら、その時は許す条件として学校に行くことを付けよう。

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