第8話 作戦
「今からあんたに説教します」
『菫県』に用意されたとある隠れ家にて。
シルクハット、マント、タキシード、革靴が白一色に染まる中、唯一丸サングラスだけが黒の性別不明の人に、助けたんだから今度俺たちが危機に陥った時は助けろよと言い置いてここに戻って来た、忍び装束で全身を隠す忍びである
「いいか?あんな人目がある中で標的をあんなに堂々と追いかけたらだめだろうが。つーかそもそも追いかけたらだめだろうが。
「俺もおまえに確認したい事がある」
「何だよ?」
「あの弥栞って飛脚。特別な能力があるわけでもない平々凡々な少女だって言ってたよな」
「ああ。調べた限りでは。まあ。あの姫と王子の飛脚をしてんだ。そうそう容易く能力を見せてないだけかもって話もしたはずだよな。だから慎重に事にかかれって言ったよな?」
「覚えている。が。俺も印象では平々凡々で特別な能力があるようには感じられなかった」
「それでも文は奪い取れなかったし、逃げられもした?」
「ああ」
「………やっぱ。あの作戦しかないかもな」
「………嫌なんだが」
「あんたが嫌がる気持ちは重々承知しているが、任務遂行が第一。だろ?」
「まあ。な」
「じゃあ。そういう事で」
「ああ」
(2023.10.2)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます