第四話 草撫づ風への応援コメント
こんばんは。
もう終わってしまった本棚企画で御作に出逢いました。
(私自身は、その企画には参加していませんが、その企画の主催者様は定期的に企画を立てられていて、そこに集まる作品が好みのものであることが多いので、よく覗いています。たまに参加もする感じです)
せっかく、最新話まで読んだので、何かコメントを残そうかと思ったのですが、大幅な改稿をされるとのこと。
作者様は、アドバイス企画の主催者様でもあったのですね。
私のコメントが改稿のお邪魔になってしまうようなら、どうかお気になさらずに読み流してください。
ジャニの少し冷めたような性格が特徴的だと思いました。
人とは違う、異能の持ち主ですが、それで萎縮するわけでも、人を怖がる、嫌がるわけでもないのは、風変わりではありますが、魅力的です。そういう子になるように、養父が大切に育ててくれたのだと思います。この点が、一味違うと思いました。
可愛げがないと思われそうですが、ダルシャンとの相性は良さそうです。
平民として、へりくだらなければ、と思っているのだけれど、結構、ハッキリした態度をとるのは、ダルシャンにとって好ましいような気がします。
ダルシャンは、タイトルに「横暴王子」とありますが、別に横暴とは感じませんでした。
ごくごく個人的には、タイトルに「横暴」がないほうがいいな、と思います。個人の好みですが、「俺様ヒーロー」は、好きではないので、そういう印象を持つタイトルの作品は避けてしまいます。(実は、本棚で一番初めにタイトルを見たときは、スルーしました)
ただ、逆に言えば、恋愛ファンタジージャンルが好きで、ちょっと強気な男性がぐいぐい来るストーリーが好きな方には「横暴王子」は、たまらなく刺さるキーワードだと思います。
これは、作者様が、読者に、ダルシャンをどういう人物と思ってほしいか、に依るような気がします。
彼の性格は、なんとなく掴めてきたと思うのですが、彼の目的(ビジョン)が分からないので、彼に対してはなんともいえません。
王位を狙っている(頂点に立ちたい)のは分かるのですが、それは、腹黒っぽい第一王子(兄)に王位を任せる気にはなれないのか。兄が王になったら、命を狙われそうだからなのか。第一王子が王になる決まりではないので、ダルシャンが王位を狙うのは当たり前なのか。
彼がどんな王になるのか、なりたいのか、イメージが湧きません。
第三話のジャニの立場を安定させ、民衆の人気を集めるという行動の裏には、「この国で権力のある存在にならなければ」という、強い気持ちがあるはずだと思います。
主人公(=読者の分身)のジャニが彼に協力するのだから、ダルシャンの気持ちの理由を知りたいと思いました。彼という人が分からないと、応援していいのか、迷ってしまいます。
話の流れからすると、「ダルジャンが王になる(彼を王にする)」が目的となりそうなのだけど、それは望ましいことなのか、そうでないのか。
……けれど、読者がそう思ったところで、素直に答えがあったら、それはそれで面白くないのかもしれません。(作者様には、隠しておきたい何かがあるのかもしれませんし)
だから、読者の代わりに、ジャニに「この人は、どうして、王になりたいんだろう?」みたいに疑問に思ってくれると、納得(安心? 満足?)できるかな、と思いました。
ダルシャンは、ちょっとワンマンですよね。王子という立場からすれば、それで当然だと思います。
ただ、読者としては、不満や、好感度が下がってしまう態度。悪くすると「物語から、置いてきぼりにされている」「何を読まされているんだろう?」になってしまう。
そこを、うまいこと、ジャニの言動で解消してもらえたらな、と思います。
全体的に、まだまだこれから始まる物語だと思います。
恋愛中心であれば、ジャニとダルシャンが恋人となった時点がゴールになりそうですが、恋愛だけではないとなると、ダルシャンが王位につくまでの長い物語になりそうです。
どちらも面白そうですが、魅せ方は違ってきそうです。
そして、ターゲットとなる読者層も変わりそうです。
読者層が変われば、当然、あらすじや、キャッチも変わると思います。
あらすじ・キャッチアドバイス企画に参加の作品なので、私は参加者ではありませんが、ご縁と思って、以下を書きます。
ただし、「アドバイス」というよりも、「作者と一緒になって考えたい」という感じで。
あらすじは、他の作品よりも、随分と短いと思いました。
けれど、実に無駄がないです。これはこれで、私はよいと思いました。
ただ、見栄えという意味では、短すぎると見劣りしてしまうかもしれません。
また、このあらすじからですと、あまり恋愛要素は感じられません。(嫁入りコン作品だったとのことなので、恋愛作品の可能性を考えているのですが、第四話まででは、恋愛もの好きの読者よりも、異世界ファンタジー好きの読者に刺さりそうです。だから、恋愛要素が感じられなくても良いと思います)
現段階だと、どんな話か(目的は何か)、どこが魅力なのか、まだ分かっていないので、なんともいえません。
キャチコピー。「女神か魔女か」のところ、個人的に凄くよいと思いました。本文中にも、彼女の力が良いものか、悪いものか、という感じのことが、割と早いうちにあり、キャッチはこの事を言っているのだとワクワクしました。
ただ、第四話まで読んだとき、本当に「女神か魔女か」がキャッチ=テーマ? になるのか、が気になりました。現時点では、異能は、ただの力で、人によって、忌み嫌ったり、崇めたりするだけ、だったからです。
現時点なら、「異能の娘が、王子を玉座へ導く」というのが話の筋かな、という感触なので、そういう意味を持つキャッチのほうがいいのかもしれないと思いました。
冒頭。アドバイス企画で意見を求めたなら、「台詞の前後で改行をした方がいい」と言われるような気がしました。そのほうが、読まれやすい、と。
実は、私自身が、(最近投稿した短編はともかく)メイン長編には、まったく空白行を入れておらず、そういったアドバイスを貰い続けました。(それでも今なお、空白行を入れていません。そのほうが私にとっては自然なので……)
Web向きにするのと、しないのとで、何が変わるかと言うと、読者層が変わると思います。
カクヨムで、似た作風の作者を中心に繋がりたいのなら、このままでよいと思います。刺さる人には刺さって、かなり深いファンになってくれると思います。ただ、読み専さんには、やはり受けにくいと思います。(読み専さんでも、縦書きで読むのが好きな方は、空白行なしで大丈夫みたいです)
(実は、拙作は、他のサイトに、カクヨムとはほぼ正反対の、「空行あり、タイトルはライトに、1ページ文字数は短く、毎日投稿」で転載したら、読み専読者さんに読んでもらえました。人数は多くはないんですが、カクヨムとはまったく別の読者層だと思います。逆に、書き手の読者さんは、たぶんゼロです。同じ話なのに不思議です)
冒頭の文章。凄く好きです。情景描写から、いろいろ想像が膨らみます。
私の好みから言えば、こういった感じの描写が第二話以降にも、もっとほしいかな、と思います。ここだけが特別な感じがあります。
ただ、PVとか、受ける、とかいう意味では、あまり懲り過ぎたらいけないと思います。
たぶん、ここで、読者を選別することになると思います。もし、この先、こういう情景描写が続かないのであれば、ものすごく残念ですが、簡略化か、削除したほうがいいのかもしれません。(私自身が、こだわりの描写のために、冒頭で読者に逃げられているため)
いろいろと勝手にすみません。
私なりに精一杯考えてみたのですが、作者様がどんな気持ち、目標で、カクヨムに投稿されているのか分からないので、まったくの的外れかもしれません。
(アドバイス風な感想を書くと、どうしても、自分の好みを押し付けがちになってしまいます。すみません。私の好みは偏っていると思いますので、どうか、話半分に聞いてください)
改稿、頑張ってください。
作者からの返信
温かく丁寧なコメントをいただき本当にありがとうございました。親身になって書いていただいたことがよく分かり、読みながら胸がいっぱいになりました。
あの本棚企画からおいでいただけたのですね!
改稿前にいろいろな視点からのコメントをいただけること、邪魔どころかむしろ大変嬉しく思います。
ジャニにはあまり読者の注目が集まらない印象があったため、言及していただけてありがたいです。改稿するにあたっては、彼女の性格や振舞い方に説得力が出るよう、養父との関係などももう少し書き込んでいけたらなと思いました。
「横暴王子~」の副題は、実のところ私自身もあまり気に入っておらず(分かりやすい方がいいかなとセンセーショナルな言葉を選んでしまいましたが、結局しっくりきませんでした)、改稿時には変更を考えております。
「読者にダルシャンをどういう人物と思ってほしいか」「彼は何が目的なのか」という点についての鋭いご指摘、とても参考になりました。
ジャニに疑問を持たせたりツッコミをさせたりして読者の感情を代弁(?)してもらうことをあまりしていないので、そのあたりの書き込み方は改稿時の課題だなと思います。ダルシャンのことは「ザ・王子様だけど憎めない」と思ってほしいところなので、そこにうまく導く書き方をしたいものです。
恋愛に始まり恋愛に終わる物語なのか、異世界ファンタジー色を強く出したいのかということについては、私の中でも不安定になっていたところですが、書き直すにあたっての軸足は後者に置きたいと思っています(恋愛要素もありますが)。
また「女神か魔女か」というところについては、嫁入りコンのレギュレーションを気にしすぎてうまく書き込めずにいたので、そこにも大きく軸足を置いて書き直せたらと思っている次第です。
Web向きにするかどうかという点についてもご助言ありがとうございます。また冒頭の文章についてお褒めいただきありがとうございます。ああいう描写は好きでやっているので嬉しいです。二話以降は駆け足で書いたので、そういった部分を減らしてしまったのかなと今になって思います。
しかしカクヨムにどのような目標・目的で投稿しているのか……というところはかなり本質的で、考え込んでしまいました。
Web小説の媒体ではおそらくあまり受けないタイプの作品だろうなという自覚もあり、「PVをたくさん稼ぎたい」「ランキング上位になりたい」などといった願いはあまりないため、書き直すときはもう好きな描写に全力で振ろうかな、と考えています。
空白行の使い方や話数の切り方についてはまだ答えが出ませんが、書き直しながらどうするか決めたいなと思っています。
温かいご助言の数々が嬉しいあまり、長々とお返事してしまいました。改めまして本当にありがとうございました。改稿版もそのうち思い出したときに見に来ていただければ大変嬉しいです。
第三話 空舞う鳥への応援コメント
自主企画【あらすじ・キャッチ】つかみにアドバイスが欲しい!【冒頭】からきました。
インド風の王族の話という事で面白そうな感じだったのですが、冒頭の一人称が入れ替わる場面で読みにくさを感じました。その後も一人称寄りの三人称がジャヤとダルシャンで交代するのがちょっと読みにくい感じでした。人称については好き好きがありそうではありますが。
お話の展開としては、何を目的とした物語なのかが分かりにくいように感じました。王位争いの為に妃にしたのでしょうが、その後の展開が競技会なので、物語としては迂遠な、インパクトが弱い感じがしました。
世界観についてもよく分からない部分があります。炎を出していますが明らかに超常の力なのにダルシャンは受け入れている。魔法的なものは存在しない世界のようですが、受け入れられ方が簡単すぎるような。
総じて言うと、この話はどう進んでいくんだろうという期待が持ちにくい感じでした。ほのぼのした話なのか、政争とか権謀術策でドロドロしてるのか。炎の力にしても、化け物と受け入れられないことについて展開させることも出来そうですが、とくにそういう事はなくあっさり解決している。単に適当な王子様が珍しい力を手に入れて喜んでいるだけみたいに感じられ、その先に期待できるものがよく分かりませんでした。
雰囲気は面白かったのですが、ちょっと物足りない感じでした。
作者からの返信
忌憚なきアドバイスありがとうございます。目が覚めました。
本作はもともとコンテスト応募用に書いていたのですが、そのレギュレーションに合わせようと思うあまりにちぐはぐさが生じ、何がやりたいのかぼんやりしたお話に着地してしまったんだな……と今になって思います。
このさいコンテストも何も気にせず、全体を大幅に改稿しよう!という覚悟が持てました。
丁寧なコメントをいただき、本当にありがとうございました。
第四話 草撫づ風への応援コメント
ダルシャンのキャラクターが男性的で気持ちの良い性格でヒロインのほうも生活に戸惑いながらもしっかりとダルシャンと向き合っており、キャラクター同士の掛け合いがもっと見たいと思わせるような作品でした。
これから多くのキャラクター同士の掛け合いがあると思うとわくわくが止まりません。
作者からの返信
ありがとうございます!
魅力のあるキャラクターを書けているかは常に不安なところですので、主人公格の両名に言及していただけたことがとても嬉しいです。
掛け合いをもっと見たい、と言っていただけたのは初めてですが、キャラクターの会話が魅力的な作品は私としても憧れですので、注力して精進したく思います。
まだ登場していないキャラクターもおりますので、また思い出したときに見ていただければ大変嬉しいです。
重ね重ねありがとうございました!
第四話 草撫づ風への応援コメント
ここまで楽しく読ませていただきました。
我の強いダルシャンに振り回されるのがヒロインのジャニなのかなと思いましたが、上の立場の人にも意見をしたり、頑固だったり、周りの反応を冷静に観察したりという面が見えてきて面白いなと感じました。人との付き合いが薄かったジャニは、自分でも自分のことわかりかねている、まだまだ成長の幅があるヒロインのようですね。
横暴王子であるダルシャンはまだまだ底が見えませんが、ジャニ目線で立つと、謎めいたところを知りたいと思う魅力的な人物であるようにも感じます。横暴という単純な記号でであるように見えて、わかりそうでわからないというキャラ造形も私は好きです。
彼らがこれからどんな人物になっていくのか、読むのを楽しみにしています。