第9話
あの後、どうにか二人を宥めすかして、もう授業が始まるということでロイには退室してもらった。
「感謝されるのは嬉しいけど、謝罪はこちらも心苦しくなるから受け取らない」と言えば、ようやく二人とも納得してくれた。
大変だった……。
ただでさえ睡眠不足なのに、授業の前に大変な目にあったわ。
本当はもっとだらだらしたかったのに……。
まあ、二人が幸せになれるのなら私のメンタルなんてどうでもいいか。
それに実際、嘘をついた私も悪い。
リナーにだって、ロイに接触していたことをずっと隠していたわけだし。
そう思って私も謝罪しようと思ったのだけど、リナーに全力で止められた。
「セレスティーナ様のおかげでようやくヘタレロイが踏ん切りついたというのに、何故謝るのですか……! 感謝してもしきれないくらいです!」と必死に話された。
とにかく良かった。
折角できた話し相手を失わずに済んだ。
いろいろ大変だったけど、なんだかんだ二人の恋愛相談乗るの楽しかったな〜。
人の話聞くの好きだし、頼られるのも好きだからね。
恋バナなんて大好きだし。
アンドラでは自分の言いたいことをしっかり言える人が多かったから、相談されるようなことはほとんどなかった。
小国ならではの自由さで、政略結婚もほとんどなかったし。
結婚も離婚も自由だった。
それに比べて帝国はしがらみとか多そう……。
たまに宮殿にくる貴族の会話とか聞くと回りくどい表現ばっかりだし、言いたいことが伝わりにくいのかも。
……ということは、恋愛で悩んでる人って意外と多いのかも?
恋愛相談できる人ってあまりいないかな? 需要あるかしら?
二人が上手くいった時は達成感すごかったし、幸せな笑顔を見ているととても癒される。
恋愛小説を読んでいる時より百倍楽しかった。
私は旦那様があんな感じだから恋愛は望めないけど、その分周りの人をもっと幸せにしてあげたいな〜。
また誰か相談してくれますように!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます