キャラの魅力って何なの?

 さあてと。構成が決まったらキャラを作らないといけないね。初心者はあんまり多くのキャラが出てくる話を作るんじゃないよ。みちのはそれで困り果てているからね……。

 何事にも基本があるんだよ。バンドってボーカルとギター、ベース、ドラムが最小単位だよね。カレーなら人参、玉ねぎ、イモ、肉、ルウ、があれば作れるじゃん。そこから減らすことも増やすこともできるよね。これくらいいたらファンタジーって回るって単位、考えて見よっか。



 まずは「主役」。男性? 女性? TSとかもあるよね。まあ、今回はシンプルに男女だけで考えよっか。


 主役には「相方」が必要ですね。ヒロインかスパダリ。まあ、バディものなら同性もありますが。これで二人。最小単位ですね。ボケにはツッコミが必要です。


 話を進めるために必要なのが「敵対関係者」。魔王、四天王とかね。恋愛ものなら恋のライバル。偽ヒロインちゃんとか妹とか。


 敵に対抗するためには「仲間」は何人いるかな? 恋愛系ならお友達?


 仲間と別に「協力者」も必要? 師匠とか先生とか。恋愛だったらメイドとか執事とか。


 これくらいがメインキャラ。減らしてもいいけど、ストーリー回すにはいた方がいい存在かな?

 簡単に言えば、仲間サイドか敵サイド。そこの濃淡だね。裏切者作るのもアリかもね。



 まあ、キャラが出来たらそれをどう魅力的にするかが作者のお仕事だね。で、間違いやすいのが、個性的にすれば魅力が出ると思う事なの。


 個性と魅力は違うからね! 


 世の中にどれだけ「え? 僕なんかしちゃいました?」って言っているキャラがいると思っているの? その中で魅力的に見える子と見えない子がいるじゃん。何が違うのかな?


 よ~く考えてみて。


 キャラの魅力ってねぇ。要は作者がキャラを魅力的に書けているかどうかだけの違いなのよ。キャラの魅力が読者に伝わっているかいないかそれだけの違いなの。


 分かんない人は分からないよね。じゃあ書いて行こうか。魅力的なキャラの書き方っていうか書けない方のやり方。


 キャラがなぜ魅力的に見えるか。あるいは見えないか。それはキャラが生き生きと見えているかどうかです。どうすれば魅せられるのか。それを考えましょう。



 作者がキャラを魅力的に見せるには何ができるのでしょうか。キャラの外見を描写する? 違うね。キャラの見た目なんか、読む人によって全然変わるんだ。書籍化されて絵がついたら、その情報いらないよね。今はAIお絵描きできるから、画像に負けるんだ。


 まあ、髪の色とか瞳の色とかぐらい書くのはぜんぜんOKよ。身長とかね。でも細かい情報いる? 余計な修飾は本当にキャラの魅力を引き出している? ノイズになっていない?


 それに、その情報は一回だけの情報。100人読み取れる人がいたら、100人なりの経験と理解で、あなたが思っているヒロインと違うヒロイン像を頭の中で描いていると思って! そして読み取れない1000人の読者。そんなものよ。字で描く限界。


 魅力を書こうとして伝わらないっていうのはそういう事。思い入れと伝わるのは違うの。絵じゃないから。でもね、こちらの創作以上に美化して読んでくれたり、深く読み取ってくれたりしてもらえるのも文章の魔力。楽しいよね。作者が80%書けた! と思った文章が、10%も読み取れない読者から「つまらない」と言われたり、作者の深層心理まで読み込んで「素敵でした! あのセリフにはこんな意図が盛り込まれているんですよね!」ってこっちが意識的に気付いていなかったことを指摘されたり。楽しいよね。楽しいのよ。



 キャラを魅力的にするのは、どう伝えるかです。そう、キャラの魅力を伝えるしかないのです。何が魅力的に映るか。どうすれば伝わるか。それを考えるのです。キャラの魅力って何?


 外見? 性格? 


 例えば、熱血キャラが好きな人と、クールで知的なキャラが好きな人がいます。正反対ですよね。


 おっさん好きとショタ。

 トラブルメーカーと回収するキャラ。

 破天荒と慎重。


 何でもありです。正反対でも需要はどこかにあるのです。他人の好きは千差万別。私の好きは誰かの嫌い。そんなものです。

 キャラの魅力は、外的要因見た目でもなければ、内的要因性格でもないのです。じゃあ何なの! どうやって見せるの! まとめますね。



1.行動

2.セリフ

3.心情


 読者に伝わるのはおおむねこの3つ。ここのどれが、あるいは複合して伝えられるかなのです。


 1.からね。動きというのはキャラの行動と物語の進行のこと。


 行動とはキャラが生き生きと動まわっているように書けているかどうかよ。読者の心に届くようにね。


 進行は何をさせるかね。

 目的がはっきりしていて(起)、それに向けての行動が読者に分かるように書かれていて(承)、なにかトラブルがあって解決が遠のく(転)が、読者の予想を超えた解決をする(結)。これが進行。結局起承転結に収まるの。

 

 ここは大体は【地の文】で書かれるところね。


 2.次に【セリフ】。セリフはもろにキャラクターの個性が出る所。そこが魅力的なら、キャラクターも魅力的ってことになるよね。

 おバカな会話。クールな物言い。アップテンポなボケとツッコミ。含蓄のあるセリフ。熱血。魅力はカッコいいだけじゃない。いろいろあるからね。


 会話は一人ではできないから、相方が重要になるの。相手にとって言葉遣いも変わるしテンポも変わる。そう言った自然なことを積み上げて、キャラクターを多角的に描ければ魅力が上がるよ。仲間と敵で同じ話し方は、一貫性があるんじゃなくて内面を書けていないってこと。気を付けてね。


 そして心情。一人称と三人称で書き方が全く違うんだけど、要は読者に『感情移入』させられるかさせられないかってこと。感情移入させられれば、主役と一緒に読者の感情をコントロール出来るよね。「いい話を読んだ」って思えるのは、感情移入できた時が多いのよ。そこ目指そうよ。キャラの心情が分かるように書くこと。そのための【地の文】と【セリフ】。



 分かりやすくするのは徹底的な無駄の排除。それが文芸とWEB異世界ファンタジーとの違い。一文は短く簡潔に。情景描写は最低限。キャラクターの単純化、テンプレ化。その中に一滴だけ個性的なことを入れる。

 現実でもね、ちょっと変わっている人は「個性的」なんだけど、一定のレベルを超えると「変わり者」とか「変な人」とか「おかしい」とか「気持ち悪い」って言われるの。高校生の制服の着こなしオシャレ程度が「個性的」で「魅力的」なのよ。

 流行を取り入れても、「オシャレ」な人と「残念」な人がいるじゃない。そんな事よ。


 無駄を排除して、分かりやすくテンポよく。行動と結果に意外性を持たせる。キャラの心情を読者に分かりやすく書く。たまにセリフに含蓄を含ませられたら最高。それがキャラを魅力的に書くと言う事です。


 一見普通で個性的、あるいは、自分は普通だと思っているけど周りから見たら個性的。男性向けファンタジーで成功しているのはこのパターン多いよね。


 女性向け恋愛でも、一見普通の女の子って書いてあっても美人だったり可愛かったりするよね。聖女の力があったり、料理上手だったり。トラブル解決能力高かったりさ。


 個性は薬、適量があるの。入れすぎると毒。それは覚えておこうね。




 今回はいろいろ書き散らしたから、読みづらいかな? キャラを説明するのは難しいのさ。いろいろあり過ぎて。まとめるとどうなるかな。やるか。




まとめ


1. 初心者は登場人物を少なめにね。主役・相方・仲間・敵と分かりやすく分ける所から始めよう。


2. キャラを魅力的にみせるには、行動・会話・心理を読者に分かりやすく描く。

  行動は、地の文と構成(起承転結)

  会話はセリフ。

  二つを丁寧にテンポよく書くことで、キャラの心情を分からせることが大切。説明じゃなく、自然に理解できるように書けるといいよね。


3. 文芸作品とWEBでの異世界ファンタジーは書き方のアプローチが真逆。本格ファンタジーは文芸ね。相容れなくて当たり前。とにかくテンポを上げるのがWEBファンタジーのお約束。(たまに文芸的な本格ファンタジーの名作出るけど、あれは天才のなせる業だからね。ここは初心者向けに解説しているから。そこは間違えないでね)


4. 個性は普通に乗っかった、ほんの少しのエッセンス。バニラエッセンス、いっぱい使えばいいものじゃないでしょ。隠し味程度で十分。むしろ普通の感覚を残さないと異常者になるから!


 こんな所かな、言いたかったことは。


 分からない所は質問してくれたら答えるよ。

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