どこまで行っても序破急か起承転結です(節)

 さ、また質問に答える所から始めようか。


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やなか

2023年9月24日 8:34


毎回とても参考になります。ひとつ質問させてください。最近よくある中編コンテスト作品(長編の素材のような)を書くとき、いつも構成に迷います。ご意見をお聞かせください。


①長編の冒頭(起承転結の起)をそのまま切り出す?


②いや、中編としての結末を示し、「俺たちの旅はこれからだ」みたいに締めくくる?


③いやいや、いっそ長編のエッセンスをぐっと中編に凝縮する?

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 コンテスト……。受かった奴に聞け! 受からない人間に聞いてどうする!

 まあ、答えたよ。詳しくは前の回の応援メッセージ見なよ。細かく書いたから。


 簡単に言えば、コンテストの要綱をどこまで読み込むかと言う事と、編集者が何を求めているか想像することだね。そこ気になって、みちのあかりも要綱通り書いた作品があってね。G'Sこえけんなんだけど。要綱と書いた作品とその時何を考えていたかのエッセーがあるから、気になる人は読み比べて見るといいよ。要綱は発注書だからね。書いた作品は企画書なんだよ。どれだけ真面目に発注書読み解いて企画書提出できるか。複数社とコンペする感覚が必要なんじゃない? 賞取りたかったら。

 苦手なエロを書いてみたからぜひ読んでね。



第2回「G’sこえけん」音声化短編コンテスト 応募要項 - カクヨム https://kakuyomu.jp/contests/gs_koeken_2023/detail


先輩! 演技指導ってこんなにエッチなものだったの? 先輩の鍛えた上半身が眩しくて……ああ! 尊い - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330662791526970


コンテストを意識して要綱通り書いてみたらこうなりました!(G’Sこえけん。微エロ) - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330662923883788



 こんな感じ。要綱こまかいでしょ。タイトル・・・ひどいよね。エロでつらなきゃって感じが痛いね。エッセイは中間通ったら細かく解説しようかな。


 まあ、応援メッセージの方も読んでみるといいよ。あっちは詳しく書いたからね。じゃあ本編行くよ!



 目的(序) 解決までの流れ(破) 解決(急)

 目的(起) 行動(承) 意外な展開(転) 解決(結)


 この組み合わせで物語が作られるのは理解したね。


 大きな「部」におおきな起承転結があって、大きな「部」は小さなかたまりの「章」に分けられる。章ごとにも起承転結がある。これもOK?


 同じように、「章」は細かい節が集まってできているの。


 缶ビールの24本入りの段ボール。これが「部」だとするね。

 段ボール開けると、6本入りの箱詰めがでてくるの。これが「章」

 で、一本ずつの缶ビールが「節」ね。第一話、第二話、第三話、あるいは、第一話①② 第二話①②とかが「節」ね。カレーで言おうか。


部) カレーが食べたい~カレーを食べた までの全体。

章) 「切る」「炒める」「煮る」などの大きな分け方。

節) 「切る」をさらに細かく分ける。「人参を切る」「玉ねぎを切る」「ジャガイモを切る」など。


 普段投稿されて我々が読んでいる1ページが「節」だと考えていいよ。例外もあるけど気にするな。初心者向けだ。難しくしない。シンプルに考えようね。


 この節の書き方で、読者が付くか離れるかが決まると言っても過言ではないのよ。自分が読者の立場になって考えてみて。


 ただ人参を切っている描写だったら読み続けようと思う? レシピ見た方が有用よね。節を制する者が読者を残せるの!


 大きな物語は一話ずつ読んでくれている読者を残し続けなければ伝わらないの! 特に最初に近ければ近いほどね。そこを意識して! 離れた読者は戻せない。それが真理。



 じゃあカレーで解説。(異世界どこ行った?)


 節)人参を切る。


 まずはこの中で最低「起承結」は書かないといけないわね。転を抜くと序破急と一緒。目的 行動 結果 これが基本。簡単に書くとこうなるよ。


 カレーを作るために、まず僕は人参を切ることにした。(起)僕はまな板と包丁を出して人参をのせる。(承)トントントンと人参を切った。(承)よし。ボールに入れて出来上がり。(結)


 これで一応形になります。って、楽しいかこれ? でもこれ以下のが沢山あるんだよ! だらだらと結のないやつ。何書きたいんだか分からないまま次が始まるんだよ! 読めるか! 節は最低限目的とプロセスと結果を書いてね! それが節の最低条件。それが出来ないならできるようになれ! 余計なことは考えなくていい。起と結がはっきりしていること! それが最低条件!


 で、そこに読ませるためのテクニックを乗せよう。乗せるためには土台がしっかりしてないとダメだからね。土台は「起」と「結」。 そこははっきりしよう。



 一般的に物語を面白くするにはポイントが二つ。


1.物語の構造と展開

2.主人公の心理の描写や変化


 昨日の質問の答えの説明になるけどいいよね。


 1はそうね。異世界行った。見たこともない文明って不思議。だんだん改良されていく飯マズ問題。勇者が平和にしていくカタルシス。煌びやかな王宮の生活を疑似体験。こういったことかな? 今とは違う世界絵のあこがれ。開拓してゆくカタルシス。疑似恋愛の入り込み。そういう世界観と変化が物語を構築しているよね。


 2は主人公の気持ちで読みながら、その体験を共有すること。ドキドキしたり不安になったり、楽しんだり落ち込んだり、そうしながら成長するのが楽しいんじゃない?


 だから、節の中に2の気持ちを持ち込むといいの。そんな感じで人参切ってみようか!



 カレー。黄土色一色の中で、唯一輝くオレンジ色の食材。それが人参。人参の入っていないカレーなんて僕には耐えられない!(起 人参を入れなければいけない主人公の気持ちが目的ね)

 僕は、買ってきた三本入りの人参のビニールを破り、その中の一番大きい人参の皮を剥き始めた。スルスルスルとリズムよくピューラーから出てくる人参の皮。新鮮な人参は水滴が飛びそうなぐらい瑞々しい。青臭い匂いが鼻をくすぐる。(承)



 楽しそうじゃない? 人参の皮を剥いてるだけなのに。で、もう少し切り続けてもらいながら心情を変化させてみましょうか。



 そういえば子供の頃、お母さんが作ってくれたカレーの人参、星形をしていたっけ。懐かしいな。父さんと別れ再婚したお母さん。

 思い出したらため息がでた。誰が悪いわけでもない。そんなことは分かっているけど……。(転)



 一気に話が展開しました。引き込まれない? ただ人参切っているよりさ。

 いや~、書いてて驚いたよ。本当は星形のクッキー型がない話を書こうとしてたんだけど! いきなりキャラが動き出したの! これが前回言っていたパンツァーの書き方と能力ね。後の展開が大変になります!


 ちなみにプロッターっぽく書くとこうなるのかな? 想像で書くよ。



 そういえば子供の頃、お母さんが作ってくれたカレーの人参、星形をしていたっけ。懐かしいな。

 星形の人参にしてみたいな。あ、でもお母さんはクッキー型で抜いていたんだっけ。一人暮らしのこの部屋にそんなものはないし。どうしよう。


 こんな感じでしょうか。いろんな展開の仕方があるよね。



 まあ、こんな感じで、色とか匂いとか心情とか書くと一気に読めるものに変化するでしょう? これが大事。


 小説1話、たった1000~3000字の文字群の中で、読み手は何を求める? 楽しさ? 感動? 泣き? 笑い?


 簡単に言うとね、「心が動く体験」なの。あらすじで心が動く? 動かないよね。何でもいいの。少しでも読者の心が変化したら勝ち。笑いでも驚きでも感心でもとまどいでもなんでもいい。何かを感じたいから文章を読むんじゃない? 創作論なら知識を入れたいって感じで読むんだけど、淡々と事実だけ書いてあるのって読む気無くすことない? 「おお!」とか「それでいいの!」とか気持ちが動くと読み続けたくなるよね。そういう事。


 いくら書いても読み続けてもらえないって人は、ここを考えて自分の作品見直してみて。起と結ちゃんとまとまってる? 読んでみて感情が動く?

 中級者でも出来ていない人結構いるから。まあ、そんな所かな今回は。まとめるよ。


「節」は投稿1話分くらいの分け方をした区切りかた。

「節」の土台は問題提起と解決。ちゃんと結まで書きましょう。

 出来事を書くんじゃなくて感情を書け!

 やれる時は転も入れよう。

 読者が求めるものは心を揺さぶられる文章です。忘れないように。



 .....................................こうして見ると、めちゃくちゃ高度な創作論になってるね。大丈夫? ついてこられる?


 

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