第85話 困惑1 (雀視点)
ゲームセンターに来ていた.何で僕はここにいるのだろうか.あいつらがユーフォーキャッチャーしているそんなことでぼーっとしていたら,電話を数度鳴った.
『もしもし,雀.』
多分,鈴華はそう言っていた.周りの音がうるさくて,何を言っているか分からなかった.
『ちょっと待って,下さい.』
とりあえず,少し声を張って鈴華に伝えた.
『分かったわ.』
急いで外に移動した.
『はい,何ですか?鈴華』
外に出て鈴華に尋ねた.電話を急にかけてくるなんて何事なのだろうか?
『何処にいるの今.』
えっ?メンヘラか束縛か?いや,違うか.何の用事か全く見当がつかなかった.
『ああ,ゲームセンターです.今,外に出ました.』
まあ,別に答えるだけだから良いか.
『そう.いや,それは今良かったわ.聞きたいことがあるの.昔,私にあったこと覚えてるかしら?』
ええ……ええ,場所はどうでも良いの……昔に会った?何の話だ.何の罠だ.昔って言っても今年の春って昔では無いし.なんかあるのか?罠か引っかけか?僕が何かを忘れてるのか?昔っていつの話だ?
『…………携帯を落とした時の話ですか?』
それ以外の記憶のあてが無かった.
『違うわ.その前よ.中学校の修学旅行で会わなかったかしら.』
電話の先からそんな鈴華の落ち着いたトーンの声が聞こえた.えっ?修学旅行,中学校違う……修学旅行?あっ,いや会ってるかの?……鈴華と同じ中学の誰かと会った気がする.
『……鈴華に会ったかしらないけど,でも,人には会いました.確か,迷子の人と会ったんですよ,自由時間に』
そうだ,自由時間にボッチでウロチョロしてた時に,あいつらの為に気を使った時に迷子の人に出会ったのだ.
『自由時間,ボッチだったんですか?雀君.』
鈴華の声は同情の色が見えた.
『それには理由があるんですよ.』
流石に意義を言いたかった.
『なるほど,ただのボッチじゃないのね.』
電話の先から幼馴染の声が聞こえたので,多分説明してくれたのだろう.
『ええ,まあ,迷子の人を助けて,でも,助けたの,鈴華ではないと思いますよ.何の話か分からないけど.』
まあ,この感じだと罠とかでも無いし,大丈夫でしょ.
『……あっ,分かったわありがとう.雀くん』
鈴華のテンションの高い声が聞こえた.マジで何の話をしてるのだろうか?
『えっ,何が?』
反射的にそう聞いていた.
『後で説明するわ.一旦切るわね』
そんな鈴華の声が聞こえた.あっ
『えっ,ちょっと』
無理だと分かっている.絶対に電話を切る間違えなく切る.
まあ,多分昔ちょっと会った事があるのかも知れないって話だろう.だったら,最初の会話は3回目だったのか.
覚えたないな.あっちは,覚えて無かったし,これはセーフだよね.僕悪くないよね.
「さて,とりあえず戻るか.」
とりあえず,あの2人の所に戻るか.
……なんか買って帰ろうかな,他にお土産.
てか,高速で水族館回ってその後でゲーセンとか,コースおかしくね.次は動物園行ってカラオケにでも行くのだろうか?
「雀くん.奇遇ですね.」
委員長に出会った.
「……奇遇ですね.何してるんですか?」
ゲーセンの前にいる人では無い.
「……散歩ですよ.そっちこそ何してるんですか?」
「……連行されました.」
「えっ,連行されてるんですか?……鈴華さんにですか?」
「うん,いや違いますよ.」
「……そうなのですね.」
委員長は立ち止まり僕の前に立っていた.なんか戻り辛くなった.
「……そう言えば何か前もこんな事ありましてね.バッタリ会う的な事.2回目ですかね?」
パッと話題が思いつかなくて,適当に過去の記憶を辿った.ちょうど,会った回数の話をしていて,前に街で会った事を思い出したのだ.
「3回目だよ.」
委員長はそう言ったが2回しか記憶に無かった.
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