やって来そうな文化祭

雀の反撃?

第61話 珍しい別行動2

テストが終わり、文化祭までの間の時間、僕には、するべきことがあった。

反撃である。何で僕だけがこんなに恥ずかしい気持ちになっているのだろうか?

本当に、最初はこんな予定では無かったのに、可笑しい。いろいろとおかしい。


そんなことで、鈴華さんが女子会でバラバラに帰宅する日。僕は、写真部にやって来ていた。

「さて、そこの二人。」

写真部の二人は、僕が現れると、申し訳なさそうな表情で、真っすぐ席に座っていた。

「「はい……」」


本題の前に、するべき話があった。

「まず、君らの口の軽さについて話しましょうか。」


「それは、その。空ちゃんが」

「えっ、蓮ちゃん。」


仲が良さそうな感じで良かったが、しかしこの二人、新聞の件は反省しているのか?それとも、それはそれこれはこれ理論なのか。まあ、今更何を言っても無駄か。

「どっちでも良いので。まあ、共犯者ですもんね。」


「「……すいません。」」

まあ、何を言っても無駄だが、嫌味ぐらいは言っておきたい。ちょっとしたストレス解消だ。


「申し訳ないと思ってるなら、良いですか?」

本来の目的は、この二人に頼みごとをしに来たのだ。


「嫌な人の弱みの写真でも撮れば良いですか?」

六角形の方こと、えっと……空さんが、そう言って笑っていた。ああ、こいつ反省してないな。


「黙れマズゴミ。本当に、考えた方がいいと思いますよ。もし新聞を作りたいなら、もっと真っ当な物を作ってくださいね。」

とりあえず、一応釘を刺しておいた。


「はい、すいません。」

空さんはそう言ってうなだれていた。……


「それで、何ですか?雀さん。空ちゃんは、無視ししてても大丈夫ですよ。雀さん。」

激ヤバ、メンヘラ逆恨みの方の蓮さんはそう言って笑っていた。こっちも反省してないな。


「酷いよ。蓮ちゃん。ねえ、私の事好きとか言ってたよね。」

空さんは最低だった。


「人の好意につけこむとか最低ですね。空さん。」

思わず、そう言っていた。少し前ならもう少し気を使っていたが鈴華さんの影響かな?それが、成長か、退化は知らないけど、僕は変化していた。


「……ごめんなさい。」


「まあ。良いです。?二つお願いがあるんですよ。」

そろそろ、本題に入ろう。


「「何ですか?雀さん。」」


「手紙の話、知ってますか?」


「「その件なら、鈴華さんが」」


鈴華さんは、優秀だった。流石だよ。

「……流石。じゃあ、もう1つの方です。こっちが本題です。」


「「何ですか?雀さん。」」


「鈴華さんと出かけるには、どんな場所が良いと思いますか?」

考えた、それなりに考えた。それで、分からないから聞くことにした。情報漏洩の可能性がまだ低い知り合いは、まあこの二人だろう。


「「えっ、何で、私たちに」」


「いや、なんか、鈴華さんには、完全にペースを取られてるので、偶には、驚かせて、僕の恥ずかしい気持ちを味わって貰いたくて。」


「いや、聞く相手間違ってると思いますよ。雀さん。私が初恋したのは、最近ですし。それに、空ちゃんは、狭いコミュニティの話だから参考には。それに、失恋のストレスで悪口新聞を作る人と、逆恨みでそれを張り出す人ですよ。」

そう言って、蓮さんは、凹んでいた。確かに、そうか。鈴華さんにバレなくても、相談相手として不適当なのか。


「私たちは役に立たないですけど。……一応、私の幼馴染…」

空さんが、そう言いかけたことで写真部から帰ることを決めた。まあ、情報漏洩せずに頼める人はいないと。


「それは、大丈夫です。まあ、もう二度とこの前みたいな事はしないでくださいね。でわ。」

まあ、一人でもう少し頑張って考えるか。幼馴染を死ぬ気で口止めして、聞くかのどっちかか。とりあえず、決まらないで家に帰ることにした。一人の帰り道は死ぬほど長いので、少し憂鬱だった。

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