第52話 勉強会2?

「さあ、勉強するわよ。雀君。」

鈴華さんの部屋まで連れてこられた。

鈴華さんの部屋はとても広くて、案の定、本が多くおいてあった。

それ以外は、基本的にシンプルな家具でまとめられてい、いや。基本的にそうだったが、部屋の端の3割ぐらいの部分は、意外とファンシーな物やぬいぐるみが広がっていた。本以外無い部屋だと思っていたが意外だった。


「広いですね部屋。」

僕の部屋の2.5倍はある気がする。


「風香と二人で使ってるわ。だからよ。」

鈴華さんは、そう言うと折り畳み式のテーブルを運ぼうとしていた。なんか、気が付けば運ぶのを手伝っていた。二人の部屋か……なるほど。


「……それにしては……」


「何?文句でもあるのかしら?」

鈴華さんは無表情で首を傾げていた。


「いや、明らかに鈴華さんの使用面積広くない?」


「証拠はどこにあるのよ。」

鈴華さんは笑っていた。


証拠はいくらでもありそうだ。

「この広がる本棚。本に対して明らかに少ないそれ以外のものたち。」


「物ならたくさんあるわよ。あっちに」


指をさした方向には、ファンシーな物やぬいぐるみが広がっていた。

「あっちは、妹さんの領土ですよね。面積比が7対3ぐらいですよね。」


「良く分かったわね。でも面積比は、5対5よ。7対3に見えるのは、目の錯覚だわ。」

だとしたら、飛んだトリックアートである。


「そう言うことに、しておきましょう。まあ僕は困らないので何でも良いんですけどね。」


「そう。それじゃあ、勉強を始めましょう。雀君。」


まあ、鞄には、勉強道具はある。それにしても今更だが

「まあ、良いですけど。勉強会ってどうするんですか?」


「知らないわよ。あの二人と勉強会したこのないのかしら、雀君。」

鈴華さんは、無表情で小さく首を傾げていた。


「無いですよ。というか、みんな真面目にしますし、それなりにまあまあな、成績なので」

勉強会とか人生で一度もしたことない。いや、図書室で一緒に勉強するのは、勉強会なのか?


「そうなのね。どうしましょう。普通に勉強すれば良いのかしら?それなら、図書室でしてるわね。」

鈴華さんは、小さく首を振っていた。


「うーん、難しいですね。」


「勉強会。正直一人で無言で勉強するなら、集まる意味あるのかしら。雀君」


「確かに。うーん。でも、呼んだのはそっちですよ。鈴華さん。」

そうだ、そもそも勉強会をしようとか言ったのは、鈴華さんだから。鈴華さんが、勉強会の方法を決めてほしい。


「そうね、うーん。まあ、一緒に勉強すれば。何でも良いわ、もう。勉強しましょう。雀君」

鈴華さんは、そう言って勉強道具を準備し始めたので、僕も準備した。


その時だった。誰かが机を叩いた。

僕でも無かったし、鈴華さんでも無かった。

机を叩いたのは、鈴華さんの妹だった。

それから、無言で黙っていた。

「……」


「何?風香。」

鈴華さんが、話すぽいから、僕は姉妹の会話をBGMに勉強を始めた。


「お姉ちゃん、勉強会って言うのはね。勉強するって口実で遊ぶものなの、勉強はしないの。」

それは、間違った勉強会のイメージだと思う。


「それだったら、勉強会じゃないわよ。風香。」

鈴華さんは、キョトンとしていた。可愛い。


しばらく、無言の後に、鈴華さんの妹は立ち上がり

「……もう、私も勉強する。」

そう宣言した。


「何で?風香。」

鈴華さんは、キョトンとしていた。


「もう、お姉ちゃん。とりあえず、天野さんと隣に座るのは許さないから。」

鈴華さんの妹は、どうやら認めてくれないらしい。


「うん?それだと、風香が、雀くんの隣でしょ。それは、お姉ちゃんが許さないわ。」

何それ嬉しい。まあ、どうでも良いけどさ、とりあえず。


「勉強しましょう。」

じゃなければ、何のためにここに来たのか分からない。無駄に緊張したし疲れたのだから、しっかりと目的を果たしたい。

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