想定外の出来事

第50話 勉強会?

鈴華さんに連れらて、彼女に家に来て、リビングに案内された。

「はぁあ。想定外なんですけど。いろいろ。」

鈴華さんの妹とリビングで向き合っていた。

それは、鈴華さんが私も夕食作るの手伝ってくるわって言って消えたせいである。

嬉しいけど、嬉しくなかった。いや、ええ。困るな。


「それは、僕もですよ。えっと。」


「風香です。その……姉はどんな感じですか?」

彼女は、こっちを見て何かキョロキョロしていた。

鈴華さんの妹ってこんな感じだったけ?まあ、いいや。


「どんな感じ?」


「姉は、ちゃんと喋ってますか?」

どういう質問だよ。妹がする質問か。まあ、心配しているのか。


「喋ってると思いますけど。」


「それなら良かったです。その……」

まだ、鈴華さんの妹は、挙動不審にキョロキョロしていた。あれ……この人もしかして。

「その?」


「姉は、デリカシーとかあまりないと思うんですけど。大丈夫ですか?」


デリカシーというか、オブラートがないというか。それに基本的に無表情で声にも抑揚がないから、まあ辛辣だ。

「……まあ、辛辣ですけど。大丈夫ですよ。」

でも悪い人じゃない。それに割と正論だから特に文句は言えない。

まあ、割と強引な人だとは思うけどね。


「そうですか。それは良かったです。」

鈴華さんの妹は、安心したように笑っていた。絶対にシスコンだ、この妹。


「………シスコン」

口が滑った。


「……違いますけど。ふざけてるんですか?」

鈴華さんの妹は、めっちゃくちゃ睨んできた。絶対にシスコンだ。


「ふざけてないですけど。姉妹は仲が良くて良いと思いますよ。」


鈴華さんの妹の目つきは更に悪くなった。

「違います。ただビックリしただけなんですよ。あの、お姉ちゃんが私より先に彼氏連れ来たから。」

絶対に違う。この人は、シンプルに姉の事を心配しているだけだ。


「……」


「なんか言ってください。」


「あっ、真紀とは、仲良くしてますか?」

そう言えば、この前、実質的な妹にめちゃくちゃ絡まれてなこの人。そんな事を思い出していた。


「それ、どう言う立場で聞いてますか?姉の彼氏?あの子の兄ポジションどっちですか?」


確かに、どっちでも良いけど。そうだな。

「両方ですかね。」


「それなら、あのストーカーをどうにかしてください。ベタベタしてウザったい。」


「……どっちですか?」


「どっちって何ですか?雀さん。」

鈴華さんの妹の目つきはずっと悪かった。


「本当に嫌なら。ちゃんと怒りますけど。」


「……いや、別に怒るまでしなくても……」

鈴華さんの妹は、露骨に動揺していた。ああ、これ結構仲良くなったんだな。


「……ツンデレ?」

もう、口は当たり前のように滑った。


「違いますから。今、気持ちが変わりました。私は、お姉ちゃんの彼氏に貴方を認めません。」

鈴華さんの妹は、そう言って目を見開きこっちを指さした。


……なるほど。

「別に貴方に認めてもらう必要はないのでは?」


「はぁ?私は、鈴華お姉ちゃんの妹ですよ。」


「鈴華さんと貴方は別人格ですからね。」

ムキになっているな、僕。


「うるさい、うるさい。私は認めないから。」


「はい?じゃあ、僕も、真紀と仲良くすることこと死んでも認めませんよ。」

それなら、こちらも同じ手で交戦しよう。こうなったら全面戦争だ。


「何でよ。それとこれは違うし。大体、貴方と真紀ちゃんは、兄弟でも何でもないでしょ。」


「兄的なポジションですし。てか、真紀のこと鬱陶しいとか言ってましたよね。」


「それは、言葉の綾ってやつですけど、分からないんですか?天野さん。」

何、この人。


「二人ともうるさいわ。」

鈴華さんが、無表情で、そう言いながらこっちにやって来た。


「「……ごめんなさい。」」

鈴華さんの妹と声が揃ってしまった。


「まだ夕食は出来ないから。雀君と風香は、勉強会でもしておきなさい。」

鈴華さんは、無表情でそう言って台所の方に戻っていった。

僕らは無言で勉強を始めた。




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